メイン

落語 アーカイブ

2011年02月13日

鈴本演芸場 早朝寄席

2月13日、鈴本演芸場早朝寄席。昨日は末廣亭で昼席・夜席だったので、なんとなく3連チャン気分。

  • 鈴々舎馬るこ 「ちりとてちん」(インターナショナル版)
  • 金原亭小駒 「野ざらし」
  • 三遊亭玉々丈 「太鼓腹」
  •  
  • 柳家初花 「長屋の花見」

よくわかんないけどみんな所見だと思うんだよな…。1回目の鈴本は古今亭志ん輔のみ印象に残して帰った。昨日の末廣亭はなんだか疲れて帰ってきちゃったしな^^。

「ちりとてちん」(インターナショナル版)は、他の人に「それさあ、外国人じゃなくてもいいんじゃね?」と言われて納得。封印してた作品だとのこと。ま、確かにオリジナルで十分ではある。てかそれよりも、外国人の扱いにちょっと緊張したな(笑)。

風変わりなのは玉々丈。「お馬鹿な若旦那」の雰囲気が満点。もちろん走り過ぎると色物系になっちゃうわけだけど、ちょっとこの人の「若旦那シリーズ」を聞いてみたくなった。

古典落語 (講談社学術文庫)

講談社
売り上げランキング: 20294

2011年02月14日

落語のお勉強をはじめてわかってきたこと

rakugo house

最近ちょっと落語のお勉強をしているところ。10年ほど前にも深夜寄席に出かけたことがあったけれど、ちょっと「お勉強」するまでには至らなかった。

今回はTwitterで『落語の聴き方 楽しみ方』という本の存在を知って、これを読んでちょっとはまった。

とりあえず20冊程度、落語の本を買ってきた。そして20枚程度の落語CDを購入。もちろんYouTubeなどでもいくつか見てみた。

そして先週、久しぶりの寄席として鈴本演芸場の昼席(古今亭志ん輔の「子別れ」がトリ)に参加。購入したCDはほとんどが「志ん朝」で、「志ん朝系統」に興味があるんだけど、まだ「とりあえずいろいろ聞いてみようよ」の段階。

そんなわけで昨日はぼくの寄席デビューだった末廣亭の昼席と夜席。そしえt今日は鈴本演芸場の「早朝寄席」ってのに行ってきた。

そんなわけでまだ二箇所の寄席にしか出かけていないわけだけど、とりあえずわかったこと。

  • どこの寄席のどの時間でも行列はできる
  • 但し、最初の行列で満員になるというほどではない
  • 結構きちんとした古典をたくさん聴ける
  • 色物は(個人的に好みじゃないものがほとんど
  • メモをとるのは気恥ずかしいけれど、寄席で何席も見ているとメモが必要かも
  • 年齢層は全体的に高い
  • 但し若いカップルの姿もある。女性同士という人も結構多い

個人的に、かなりの「人混み嫌い」で、渋谷にはもう10年ほどでかけてないし(好みのイベントがあっても諦める)、新宿も用を済ませばすぐに離脱する。人のいない峠を自転車で走ってるのが好きというタイプ。

そんなぼくに「ブーム」の影響が残る落語に耐えられるかは大きな問題だった。実際のところ、チケットも「予約しないと買えない」というわけではなく(寄席には予約というシステムもないらしい)、また一時期のラグビーのように徹夜して入場待ちをする必要もないってのは助かった。

今のところ、開場(チケット販売開始)の40分ほど前に到着するように出かけている。そういえば開場とチケット販売開始の時間が同じだってのは、昔の秩父宮ラグビー場と同じシステムだな。ラグビーも最近行ってないからシステムは変わっているかもjしれない。

もちろん、なんだか変な笑い声をあげる客や、なんかビニール袋をがさごそいわせてる人なんかもいて、そういうのが気になりだすと耐え難く感じることもある。

演じられる落語の「ジャンル」についてだけれど、「古典落語」が聴けることが嬉しい。もう「年寄り」になったこともあって、基本的には古いのが好き。余命を意識すると新しいものの評価に力を注ぐより、評価の定まったものを味わう方が効率的かなんて判断もある。

YouTubeなんかを見ていると、「新作」の落語が広まっているようで、実はこの点に不安を感じていたりした。もしかすると前座なんかでは関西人の日常レベルの漫談を聞かされるんじゃないかと思ってたりした。だいたいテレビでやっている「お笑い」がちっとも面白くないので、そういう話を「噺」として聞かされるんじゃないかなどとも思ってた。

実のところそういう考えは全くの杞憂。まだ3度しか寄席にでかけていないのに言うのもなんだけど、「古典」の演じられる頻度に満足を感じている次第。

ちなみに「色物」は個人的に全く面白くない。手品ってのは学芸会か飲み屋の女の子レベルだし、都々逸なんかにも(いまのところ)全く興味がない。ただ、そういう時間はストレッチングやトイレ時間になるわけで、「存在に苛立ちを感じる」ってわけじゃあない。

年齢層については、じじいなぼくが言うのもなんだけど、チケットのための行列を見て一瞬「おっ」と引いてしまう感じ。谷中商店街よりも平均年齢にするとちょっと高いんじゃないか。いや、このたとえはわかんないな。日本棋院の一般対局場くらいといえば、、、こっちの方がぜんぜんわかんないか。

来週はこれまでに行ったことのない浅草演芸ホールにも行ってみるつもり。それから、ちょっと気になる古今亭志ん輔が3月の中席で末廣亭に出る。3月といえば徒歩3分の国立演芸場も改装オープン。

いましばらく落語のお勉強をしてみるつもりです。

落語の聴き方 楽しみ方 (ちくまプリマー新書)
松本 尚久
筑摩書房
売り上げランキング: 196844

2011年02月15日

古今亭志ん朝のDVDを買ってもらった!

実はもうすぐ誕生日。誕生日のプレゼントに古今亭志ん朝のDVDを買ってもらえることになった。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 上 [DVD]
ソニー・ミュージックダイレクト (2008-03-26)
売り上げランキング: 887

むっちゃ嬉しい。CDは結構揃えた。しかしYouTubeでもわかるように、志ん朝は振る舞いも美しい。「買おうかな」と思いながら悩んでいたのはその価格。上下巻でリリースされていて1つあたり32,000円ほど。上下巻揃えると64,000円。iPadも買える値段だ。安いピストバイクも買える。

と、そんなわけで悩んでいたときに「プレゼントしましょう」の声。おまけになんとAmazonで24,991円の価格設定。「その値段なら上下巻プレゼントしますよ」と。

できることなら世話になっている谷中の本屋で買いたかった。だけど仕入れ値にしてもAmazonの方が安いという話。「お客さん、それはAmazonで買っていただいた方が良いですよ」と。

DVDの到着はすごく楽しみ。ただそれにしても、この価格はいったいどうしたわけなんだろうな。安いのは嬉しい。嬉しいが、ちょっと世話になっている本屋に申し訳ない気分でもある。

2011年02月18日

子の1365番 ~ 入試発表の思い出

志ん朝DVD全集の「宿屋の富」を観た。

今で言う「宝くじ」の当たり番号を確認するシーンで、あたってるのに「惜しいんだよなあ」というところ。個人的にまさに実体験で笑える。落語を観て涙したりすることの多いぼくだけど(「浜野矩随」は号泣した)、これは単純に笑えた。

子の1365番
というのも遠い昔の大学受験。あまり受からないだろうとは思っていないんで、他の大学は受けていない。大阪から東京の大学を受けたんだけど、「合格電報」(当時はそんなもんがあった)なんてのも頼んでない。大学がやってた合格番号郵送サービスをおっとり待ってた。

で、郵便が届いた当日。封筒から紙を取り出すと、なんと自分の受験番号がない。5回も見直したけどやっぱりない。「なんじゃこりゃ」と思いくしゃくしゃに丸めて捨てた。会社が休みだった父に詫びを伝えた。浪人させてもらいたいと。

暗い雰囲気の中を部屋に戻り考えた。何がいけなかったんだろう。所詮自分は小さな小さなカワズに過ぎなかったかと。

数時間してからちょっとだけ気を取りなおした。「失敗こそその後の人生の糧になる」なんてことばもあるじゃねーかと。丸めて捨てた合格番号の紙も記念にとっておこうと。

捨てた発表用紙を改めて眺めてみた。いったい自分の周りにいた人間がどのくらい合格したのかと番号を眺めてた。

数回目に見直したとき。ようやく見慣れた番号を発見。俺の番号は確かこれに近かったはずだと見直してみてびっくり。なんと本当に自分の番号がちゃんと載っていた。

どうした加減で自分の番号を見失っていたのか、全くわかりません。緊張ってのが、確かにあったのかもしれませんねえ。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD]
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(D) (2008-10-01)
売り上げランキング: 6518

2011年02月19日

初めての浅草演芸ホール

落語のお勉強をはじめたところってことで、誰か気になる人を追いかけるのが良いのかなあとも思ったり。

そんなわけで古今亭志ん輔の出ている浅草演芸ホールに行ってみた。どうも浅草という町の繁華街は「大混雑」というイメージしかなく、行くまではかなり不安にもなっていた。

で、11時からチケット売り出しのところを10時40分くらいから並んでみると、並んでいたのは20人ほど。今日は団体予約が入っていたそうで、昼の部前半の一般用一階席は50席ほどしかないということだったけど、無事に座れた。

以下演目。目当てにしていた古今亭志ん輔の噺は聞いたことがあるはずだけどタイトルを失念(更新:ランゴランゴかな)。三遊亭圓丈の話も同様。

ちなみに昼の部では「たぼう」(?)という女流も出演(「子褒め」)していた。

■ 昼の部
三遊亭玉々丈(穴子でからぬけ)
林家正雀(黄金の大黒)
三遊亭萬窓(真田小僧・抄)
古今亭志ん輔(替り目)
川柳川柳(音楽漫談)
桂南喬(一目上がり)
桂文雀(近日息子)
入船亭扇橋(長屋の花見)
入船亭扇治(尻餅)
柳家小せん(新聞記事)
三遊亭丈二(漫談)
柳家はん治(ぼやき酒屋)
柳亭小燕枝(時そば)
三遊亭圓丈(ランゴランゴ)

■ 夜の部
柳亭市助(道具屋)
柳家小太郎(動物園)
蜃気楼龍玉(ぞろぞろ)
柳家さん吉(漫談)
柳家三三(たらちね)

--帰宅--


東京下町浅草とっておき (エイ文庫)

エイ出版社
売り上げランキング: 129762

2011年02月20日

2月20日は鈴本早朝寄席+らくごカフェ(笑福亭鉄瓶)

連れが寝てるんで、なんかとろとろしてたら時間ぎりぎり。9時半には鈴本に到着する予定が、家を出たのが9時15分くらい。さほど遠くはないと言っても15分じゃあつかねえな。

ま、なんとか間に合って今日も楽しんでまいりました。

  1. 古今亭 大五朗「初天神」
  2. 三遊亭 時松「天狗裁き」
  3. 三遊亭 ぬう生「位牌屋」
  4. 三遊亭 金兵衛「七段目」

「七段目」は先日、三遊亭圓彌のものをDVDで観たばかり。なんとなく「大作」のイメージがあって、早朝寄席で聴けるとは思ってなかった。

また、土曜日に浅草演芸ホールの前で人力車を観て「そのくるまァ、やァらァぬゥー」なんて言ってたところだったのでちょっと驚き。

「位牌屋」と「天狗裁き」は不勉強にして知らない話だった。「位牌屋」は「近日息子」系の話。「天狗裁き」のバカバカしさは気に入った。


古典落語名作選 其の一 [DVD]
NHKエンタープライズ (2002-09-20)
売り上げランキング: 20100

と、それで帰る予定だったけれど、帰り道にある「らくごカフェ」にも寄ってみた。お題は「お江戸で鉄瓶かーい」。

らくごカフェ高座
らくごカフェ高座 posted by (C)torisan

知らない人なんだけど、まあ落語初心者には知らない人ばかりだ。勉強になるかなと寄ってみた。


大きな地図で見る

鉄瓶(てっぺい)がやったのは創作落語の「テープレコーダー」と、古典の「青菜」。いやあこの「青菜」は面白かった。朝からのはしごで眠かったんだけど眠気も覚めた。「九郎判官」絡みのオチがわかりにくいかもしれないなという気配りが邪魔でなく、その分たくさん笑いを掴んでいたみたい。

尚、創作の方は初心者のぼくにはまだよくわからないのです。

ちなみにゲストは三遊亭橘也。お題は「佐野山」。こちらもなかなか面白かった。

映画・座頭市に出ていた「三増紋之助」

寄席に行くのは良いけれど、イロモノがどうも好きになれないねと言ったら「三増紋之助の曲ゴマを見よ」と言われた。

ちょうど先日の浅草演芸ホールに出てたので見てきたよ。

話によれば、たけしの『座頭市』にも出ていたとのこと。「いつまで独楽を回しておるのじゃ。踊りじゃ、踊り!」と追い出される「重要な役目」だったとのこと(笑)。

てなわけでうちにDVDがあるので探してみた。
monnosuke.jpg

確かに重要そうな役目であります^^。


座頭市 <北野武監督作品> [DVD]
バンダイビジュアル (2004-03-11)
売り上げランキング: 14699

2011年02月26日

古今亭志ん朝@1972年

朝っぱらから古今亭志ん朝の抜け雀(1972年版)を観ている。

「古今亭志ん朝全集」のDVDにはいくつか同じ話が入っていて、そうした場合には両者の間に年代の差がある。この「抜け雀」も2本収録されているもので、下の画像は古いほう(志ん朝が若い頃)。

shincho1972.jpg

語り口調はあまり変わらない。時代を経たときの志ん朝と同じような感じ。ただやはり、若い頃には「一所懸命さ」が見て取れる。「微笑ましい」んだけど、その微笑ましさが、志ん朝節から浮いてしまうところがあったりなんかする。

オール・ザット・ジャズ」という映画に、編集を経たフィルムを見て「よくなってる!」と驚くシーンがある。大好きな映画で、大好きなシーン。

古今亭志ん朝DVDで若い頃のものと、比較的新しいものを見比べてもやはり「ああ、ここがよくなってる!」なんてことを実感することができる。

志ん朝はCDも結構買ってしまっていて、DVDをまた入手するのはどうかなとも思ってた。だけどCDとも音源が違い、また、いくつかは同じ話も入ってる。比較検討して見られるのはこのDVDの魅力のひとつかなと思う。少なくともぼくは、この「比較できる」ということをすごく魅力に感じている。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 上 [DVD]
ソニー・ミュージックダイレクト (2008-03-26)
売り上げランキング: 2990

池袋演芸場 2011/2/26昼席演目

初めての池袋演芸場に行ってきた。いや、昔、要町に住んでいた頃からよく前は通ったんだけど、入る勇気がなかった^^。

rakugo house

明日と明後日、両日共に落語に出かけるので今日はおやすみかなと思ってた。ただ古今亭菊之丞にちょっと惹かれて出かけることにしたってわけ。

  • 柳亭市也「一目上がり」
  • 三遊亭天どん「確定申告」
  • 林家正蔵「四段目」
  • 春風亭柳朝「荒大名の茶の湯」
  • 柳亭左龍「初天神」
  • 三遊亭萬窓「試し酒」
  • 春風亭一之輔「普段の袴」
  • 古今亭菊之丞「湯屋番」
  • 橘家圓太郎「締め込み」

舞台にマイクが出ていないのにちょっと驚いた。かなりコンパクトなスペースなわけだな。かなり気に入りました。

菊之丞も「あやしい若旦那」風なので「湯屋番」はハマってるね。

菊之丞のサイン本も売ってたので買ってきた。
菊之じょうのサイン本をかってきた@池袋演芸場
菊之じょうのサイン本をかってきた@池袋演芸場 posted by (C)torisan

紐を使った手品をやっていた「ダーク広和」って人も面白かった。


こういう了見
こういう了見
posted with amazlet at 11.02.26
古今亭菊之丞
WAVE出版
売り上げランキング: 144239

2011年02月27日

鈴本早朝寄席 2011/2/27

土~月まで3連休で落語3連チャン予定。土曜日は池袋昼席、日曜日は鈴本の早朝寄席、そして月曜日が鈴本の夜席。

なんでも今日の鈴本のメンツは「すごい」らしく(ぼくにはわからない^^)、会場前に100人ほども並ぶ盛況。それでも時間にくれば座るのには問題ない。最終的には立ち見も出ていたそうだけど未確認。

  • 春風亭 正太郎 「湯屋番」
  • 三遊亭 天どん 「確定申告」
  • 柳家右太楼 「ぞろぞろ」
  • 古今亭 菊六 「棒鱈」

三遊亭天どんは昨日の池袋にも出ていた。2日続けて「確定申告」を観ることになったな。ワルサーの出し方は今日の方がよかったけれど…。

追記:そういえば忘れていた。今日の版では「代書屋」からのくすぐりを導入してた。これにはちょっと不覚にも笑ってしまった。

また湯屋番は昨日、古今亭菊之丞で観ている。顔を見てもわかるように(?)、ぼくは菊之丞の若旦那ぶりの方が好きだな。煙突に捕まって口上を述べるところではつい拍手してしまったものなあ。今日は静かに見てました。

「ぞろぞろ」はちょっと集中力を失ってあまりちゃんと聞けなかった。「棒鱈」ははじめて耳にした演目。体調がよければ、もっとばかばかしさを感じられたのかもしれない。ちょっと淡々と受け止めてしまったな。

明日は古今亭駿菊の「井戸の茶碗」を聴きに行く予定。

ちなみに今日は鈴本から歩いて帰ってきた。途中でまな板たい焼きを食いながら帰ってきましたとさ。
まな板の鯛焼きなう
まな板の鯛焼きなう posted by (C)torisan

2011年02月28日

鈴本夜席 2011/2/28 演目

鈴本演芸場2連チャン。途中から前の席に座った人がガサゴソと袋入りのお菓子を食べ続けていたのがまいった。話の最中に席を替わるわけにもいかないんだろうし。

そういえば平日寄席は初めてだと思うんだけど、客の少なさにびっくりしたな。ガサゴソする人がいなければ、これくらいの人数が過ごしやすいけどなあ^^。

鈴本演芸場、本日の夜席メニュー
鈴本演芸場、本日の夜席メニュー posted by (C)torisan

  • 鈴々舎やえ馬 「天昇気(転失気)」
  • 柳家花いち 「権助魚」
  • 三遊亭歌奴 「一目上がり」
  • 春風亭一朝 「蛙茶番」
  • 古今亭菊千代 「桃太郎」
  • 三遊亭金馬 「唖の釣り」
  • 柳亭燕路 「トンビの夫婦」(演目をTwitterで教えていただいた。ありがとうございます)
  • 古今亭駿菊 「井戸の茶碗」

「井戸の茶碗」は「駿菊 古今亭流八夜」の一環として演じられたもの。志ん朝のDVDやCDを何回も聴いて予習してから聞きにいった。と、いうかこの「井戸の茶碗」が目当てで今日はでかけた。

特定の演目を目的に寄席に行くのは初めて。これに続いて3月5日は国立演芸場に「浜野矩随」を聞きに行く。どちらも志ん朝で聞いて/見て大好きになった演目。

今日の古今亭駿菊版は、志ん朝版と違う解釈もあって勉強になった。

落語名人会(17)
落語名人会(17)
posted with amazlet at 11.02.28
古今亭志ん朝
ソニーレコード (1995-09-21)
売り上げランキング: 31946

2011年03月04日

落語も「聴き比べ」は楽しい ~ 白酒と志ん朝の「抜け雀」

落語ファン倶楽部 VOL.12が「特典CD付き」ってことで買ってみた。「お勉強」を始めたときに、VOL.11も買ったので続けての購入ってことになるな。

CDに入っているのは三遊亭白鳥の「初天神」と、桃月庵白酒の「抜け雀」。「初天神」の方は「新作」みたいな感じなのでおいとくとして、「抜け雀」が古今亭志ん朝版と比較できて面白かった(落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD]に収録されている)。

聴き比べるといろんな違いがあるけれど、最初に気になるのは絵の見え方。志ん朝版は「雀だけどわからんか?」と問われてよくみると「なるほど!」となる。しかし白酒版では言われてもわからない。

最初に志ん朝版をDVDで見ながら「言われなくちゃわからない絵」ということで、いったい何を意味してるのかなと考えた。そうやって気になったところが白酒版で変わっているのは面白い。

また、志ん朝版では「墨をすれ」と宿屋の主人が墨をすらされる。しかし白酒版ではそれぞれ絵かきが墨をする。志ん朝番の「人にやらせる」行為に納得していただけに、白酒版で自分ですることがまた興味深い。

そういえば先日、鈴本で古今亭駿菊版の「井戸の茶碗」を聴いたとき、やはり志ん朝版DVDと比較してみていた。駿菊版では志ん朝版と比べて、屑屋の武家に対する態度が若干丁寧さを欠く感じになっていた。最初は「口調」だけの問題かと思ってみていたんだけど、「振り」の方でもそういうニュアンスが出ていたので解釈によるものだと思う。

こんなふうに、いろいろと聴き比べができるのも古典落語の魅力だなあと、お勉強をはじめたばかりのぼくは感じていたりするのです。

落語ファン倶楽部 Vol.12 (CD付)

白夜書房
売り上げランキング: 676

2011年03月05日

国立演芸場で浜野矩随(林家正雀)を見てきた

2月から落語に興味を持ち始めた。ふと考えるとうちは国立演芸場から近い。「こいつぁラッキー」と思ってたんだけど、2月中は改装工事。

そんなわけで本日が国立演芸場デビュー。
国立演芸場ステージ
国立演芸場ステージ posted by (C)torisan

目当ては志ん朝DVDで見た「浜野矩随」。演目は以下の通り。

  • 春風亭ぽっぽ「寿限無」
  • 林家彦丸「猿後家」
  • 柳家小せん「あくび指南」
  • 入船亭扇辰「天狗裁き」
  • 柳家小ゑん「幸せの石」
  • 橘家蔵之助「蛇含草」
  • 林家正雀「浜野矩随」

目当てだった「浜野矩随」は面白く聴いてきた。志ん朝版(志ん朝のものしか知らないのでこのように表記)とは異なり、もっと「現実的」にしたものと言えるかな。

浜野矩随の作品が彫ったイノシシが豚に見えるのは一緒だけれど、足が3本しかないあたり、浜野矩随が「状況の重さ」で「激変」したわけではなく、「状況の変化」で「進化」したという風に描いている。「奇跡の感動巨編」ではなく、「現実的なちょっと良い話」になっている。

こうなると当然最後にお母さんに死んでもらう必要はなく、母親の自殺前にぎりぎり間に合うというストーリーになる。こういうエンディングがあることは知っていたんだけど、「殺さない必然」をいろいろと伏線で示していた(若狭家が小言を言う前に酒を呑むシーンを入れたりしている)。

「なるほどそういうわけでそう演じるのね」ということのわかりやすい展開ではありました。

ちゃうちん@国立演芸場
ちゃうちん@国立演芸場 posted by (C)torisan

古今亭志ん生 名演大全集 27 子別れ(全編)/名工矩随(めいこうのりゆき)
古今亭志ん生(五代目)
ポニーキャニオン (2005-11-16)
売り上げランキング: 49312

落語と自炊本

iPadを買ってから、うちにあふれる本を「自炊」してる。これまで2000冊くらいかな。本を買ってもスペースが狭まらないというのが大きな魅力。そしてもちろん「検索」できるようになるのも嬉しい。

rakugo-kensaku.jpg

落語に興味を持ち始めたのは2月から。まだ本もさほどは揃ってないけれど、それでも電子化しておくと落語鑑賞にでかけるときにとても便利。

たとえば明日の鈴本演芸場の早朝寄席には春風亭一之輔が出る。未熟者なんでまだどんな噺家かがよくわからない。そんなとき落語関係の書籍を入れているフォルダを指定して検索すればずらずらと出てくる。

一門のこともわかるし、得意な話なんかもすぐ調べられる。本を読んだ時にはまったく知らない噺家で見逃してしまっていた記事も改めて頭に入ってくる。

ちなみに「東京かわら版」。こちらは落語にハマって以来馴染みとなった書店に貰っているもの。バックナンバーもいくつかもらったりした。自分で買おうと思うんだけど、頑なに拒むのもなんだなあと。

自炊に使っているのは定番のScan Snapと、プラスの断裁機。ちなみにぼくのiPad用途は、ほとんど自炊本を読むばかり。なので今のところ新iPadを買う予定にはしていません。

FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500
富士通 (2009-02-07)
売り上げランキング: 40


プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106
プラス (2009-09-01)
売り上げランキング: 113

落語と自炊本

iPadを買ってから、うちにあふれる本を「自炊」してる。これまで2000冊くらいかな。本を買ってもスペースが狭まらないというのが大きな魅力。そしてもちろん「検索」できるようになるのも嬉しい。

rakugo-kensaku.jpg

落語に興味を持ち始めたのは2月から。まだ本もさほどは揃ってないけれど、それでも電子化しておくと落語鑑賞にでかけるときにとても便利。

たとえば明日の鈴本演芸場の早朝寄席には春風亭一之輔が出る。未熟者なんでまだどんな噺家かがよくわからない。そんなとき落語関係の書籍を入れているフォルダを指定して検索すればずらずらと出てくる。

一門のこともわかるし、得意な話なんかもすぐ調べられる。本を読んだ時にはまったく知らない噺家で見逃してしまっていた記事も改めて頭に入ってくる。

ちなみに「東京かわら版」。こちらは落語にハマって以来馴染みとなった書店に貰っているもの。バックナンバーもいくつかもらったりした。自分で買おうと思うんだけど、頑なに拒むのもなんだなあと。

自炊に使っているのは定番のScan Snapと、プラスの断裁機。ちなみにぼくのiPad用途は、ほとんど自炊本を読むばかり。なので今のところ新iPadを買う予定にはしていません。

FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500
富士通 (2009-02-07)
売り上げランキング: 40


プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106
プラス (2009-09-01)
売り上げランキング: 113

2011年03月06日

一日2度の「死神」との出会い 鈴本演芸場&黒門亭

「死神」を聴きたいなと思ってたら一日に2度、「死神」と出会うことになった。

柳家小太郎@鈴本演芸場早朝寄席と、林家種平@黒門亭。今日は「できれば黒門亭に寄ろう」と思ってたんだけど、早朝寄席で「死神」が出たので悩んでしまった。結局は黒門亭にも行ったんだけど、こちらは初めて。

下の写真が鈴本での演目。携帯カメラだけどなんか格好良く撮れてるじゃん(当社比)。

鈴本早朝寄席演目
鈴本早朝寄席演目 posted by (C)torisan

  • 三升家う勝 「真田小僧」
  • 春風亭一之輔 「ろくろ首」
  • 古今亭駒次 [泣いた赤電車]
  • 柳家小太郎 「死神」

下に掲載する写真は黒門亭での演目。こちらにも古今亭駒次が登場。1日に2作も鉄道系新作落語を聴いたことになる。

早朝寄席の方は紙芝居風。タイトルからわかる通り「泣いた赤鬼」を下敷きにしている。小学校時代に読んで泣いた『泣いた赤鬼』を実家から持ってきたばかりなのでちょっと驚いた。話としては黒門亭でやった「戦国鉄道絵巻」の方が面白かったかなあ…。

個人的に鈴本で一番納得して聴いたのは春風亭一之輔。まあ評価の高い演者だそうなので当然かもしれない。前に池袋で聴いた「普段の袴」も気に入っているし。

# それにしても一之輔に「帰れ」とか言われると怖いね^^<ろくろ首より

  • 三遊亭ございます 「お父さんのハンディ」
  • 古今亭駒次 「戦国鉄道絵巻」
  • 春風亭勢朝 「荒茶」
  • 林家彦いち 「二月下旬」
  • 林家種平 「死神」

黒門亭で一番気に入ったのはやはり「死神」。この人は種子島だそうで、ぼくの奄美大島とすぐ近くの人だ。一箇所、枕元と足元をとちったような気がするけれど、これはぼくの勘違いかもしれない。

「死神」には「ハッピーバースデー」の歌に乗ってろうそくを吹き消すものもあるそうで、それにも興味があるんだけど今日の2本はいずれも別のサゲ。

黒門亭1部の演目
黒門亭1部の演目 posted by (C)torisan


ないた赤おに (ひろすけ童話絵本)
浜田 廣介
集英社
売り上げランキング: 22544

黒門亭は、部屋の中でのお食事禁止です

鈴本の早朝寄席から黒門亭へのハシゴ。早朝寄席の終わるのが11:30くらい。黒門亭の第1部が12時からってんで、時間的にはわりとちょうど良い。ただ難点は終了まで落ち着いて食事する時間がないということ。

黒門亭正面
黒門亭正面 posted by (C)torisan

鈴本演芸場やら末広亭ってなところだと、寄席内部に売店もあり、いろんな雑誌などでも「飲食しながら鑑賞できる」なんて書いてある(イロモノのときには、と限定している記事も見たことがあると思う)。

もしかしたら合間にサンドイッチくらい食っても良いのかと、一応サンドイッチを買っておいた。そして入場時に係の人に尋ねてみた。「パンなど食べても大丈夫ですか」。相手の方は困ったなという顔で「食事は禁止させていただいています」と。

やっぱりそうだよなあ。「席を確保してからちょっと外で食べて頂くというのでは?」と言っていただいて、まずは開場に荷物を置いて外でサンドイッチをかっこんだ。

ああいう場所、食事禁止はわりと普通だろうな。ぼくも賛成。ただ、いろんな雑誌なんかで「寄席は飲食しながら…」ってのが広まってるのもあるよな。実は今日も中でお弁当を食べようとして、周囲の客から叱られてる人がいた。楽しもうと思ってきて、世の雑誌から受け取った印象に従おうとしただけだろうに、ちょっとかわいそうだったな。

会場の注意書きも「撮影・録音禁止」ってのだけだったように思う(記憶違いかもしれない)。「飲食禁止」も書き加えておいて良いんじゃないかな。

ぼくのような初心者って、ちょっと「落語会場=飲食しながら楽しめる場所」なんていう嘘常識が広まってるところもあるから。

2011年03月08日

小三治の芝浜と志ん朝の芝浜

ぼくの意志じゃなくて何枚かゲットした落語CD。その中に柳家小三治の「芝浜」があった。

落語名人会(42)芝浜
落語名人会(42)芝浜
posted with amazlet at 11.03.08
柳家小三治
ソニーレコード (1996-08-21)
売り上げランキング: 69280

聞いてみると「芝浜」で初めてうるっとくるようなでき。志ん生をCDで聴き、志ん朝の芝浜もDVDで観たけれど、泣きそうになったという記憶はない。

「もしや小三治版の方が出来が良いってことかな?」と思いつつ、再度志ん朝のDVDを観てみた。

sibahama.jpg

なるほど。両者の違いは「うまいヘタ」とかそういうものではない。志ん朝版の方は最後まで「おかしさ」を前面に打ち出してる感じ。小三治版とは解釈そのものが違うんだ。

そう思ったところで『落語CD&DVD名盤案内』(本屋のおいちゃんにすすめられた)の「芝浜」のところを読んでみた。

曰く「近ごろは泣かせる演出の『芝浜』が受けているようだが、本来はさっぱりした演出だったのであろう。その泣かせる演出からは、五代目立川談志のDVDを挙げておく」とのこと。

落語CD&DVD名盤案内 (だいわ文庫)
矢野 誠一 草柳 俊一
大和書房
売り上げランキング: 227771

なぁるほど~。

ちなみにこの本では「原点」として三代目桂三木助のCDもおすすめになっている。


NHK落語名人選(13) 三代目 桂三木助 ざこ八 ・芝浜
桂三木助(三代目)
ポリドール (1990-05-25)
売り上げランキング: 151260


立川談志 古典落語特選 3 [DVD]
ポニーキャニオン (2003-07-16)
売り上げランキング: 27358

2011年03月20日

末広亭 3月20日

今日は久しぶりの寄席。鈴本に行こうと思ってたんだけど、古今亭志ん輔を目的に新宿末広亭に行ってきた。落語のお勉強を始めてから初めて途中入場。

目的の志ん輔の「夕立勘五郎」は面白かったな。それだけでなく、今日は全体的に気合が入ってる感じでかなり楽しんで帰ってきた。

第二目標だった馬生の「猫の茶碗」も面白かった。昼トリの桂文楽が「時そば」をやったのはちょっと驚いたかな。「時そば」ってのはもうちょっと前の人がやる小咄系だと思っていたので。まあ面白いのは面白かった。

■ 昼の部途中から

  • 古今亭志ん橋「居酒屋」
  • 林家うん平「浮世床」
  • 金原亭馬生「猫の茶碗」
  • 桂才賀(いつもの漫談? 上野老人観察)
  • 柳家権太楼「肥瓶」(家見舞)
  • 桂ひな太郎「締め込み」
  • 柳家小満ん「長短」
  • 古今亭志ん彌「権助魚」
  • 桂文楽「時そば」

■ 夜の部

  • 林家まめ平(前座)「転矢気」
  • 柳家小んぶ「小町」
  • 柳亭左龍「目薬」
  • 古今亭菊春「替わり目」
  • 古今亭志ん輔「夕立勘五郎」
  • 鈴々舎馬桜「極道のバイト達」(こちらのツイートよりタイトル頂きました)

(帰宅)

とっておき寄席!古今亭たっぷり二時間半 [DVD]
角川エンタテインメント (2009-10-21)
売り上げランキング: 83230

2011年03月22日

「ぬけ雀」比較 ~ 志ん生版を聞いてみた

恥ずかしい告白をする。実は最初に志ん生のCDを聞いたとき(演目は忘れた)、「ちょっと志ん生は面白くない」と感じた。「志ん生の面白さってのがわかるまでに何年かかるだろうなあ」なんてことも思った。

あるいは逆に、落語のお勉強を始めるにあたってたくさん(当社比)聴いた志ん朝について、「単に聴きやすいから気に入っているだけなのかなあ」なんて疑問ももった。「表面的な聴き方しかできてないんだろうなあ」と。

ただそれからしばらく。いろんな演目を耳にして、「この演目は志ん生できいてみたいな」なんて思うものも出てきた。少し「落語を聴く耳ができてきたんだろうか」なんて自己満足中(笑)。

今回買ってきたのは「山口屋のゆすり」(聴いたことはない)、「替り目」、「抜け雀」の入っているCD(追記:このCDは良い。確かに名人なのだと納得できる音源だと思う)。

古今亭志ん生 名演大全集 36 ~塩原多助~山口屋のゆすり/替り目/抜け雀
古今亭志ん生(五代目)
ポニーキャニオン (2005-12-14)
売り上げランキング: 137374


この志ん生版で一番気になったのは雀絵の作者が二度目に訪問したときの宿主に対する質問。「雀は無事か」と尋ねる。

CDを聞きながら「えっ」と声を上げるほどに驚いた。「口がすべったのかな」と思った。元絵作者の側が、雀が疲れて死んでしまっているのではないかという疑問を持ってはいけないと思っているから。ストーリーを知っている志ん生がつい口を滑らせたのかと。

だけどさらにその直後、元絵作者はさらに念を押す。「よくあの雀がもってるなあ」。

念を押すのであれば、元絵作者側にも「雀の生死」に関する意識があったという解釈なのだろうな。しかしそう解釈してしまうと、この絵師親子の関係の理解が難しくなるように思うんだよなあ。

そういえばこの「抜け雀」。以前にも桃月庵白酒版との比較をしてみた。いずれも「細かいニュアンス」ではないところに違いがあるのが興味深い。

志ん生版、もうちょっと聴きこんでみようかなあと思っているところ。

尚、上に書いた「大きな違い」以外には「志ん生の勢い」と「志ん朝のビジュアライズ」という特徴が見えた。これはまあ両者の特徴としてよく言われるところで、それが演題に出てきているところ。こういう違いももちろん面白い。

ところでこのエントリを聞きながらBGMのように「替り目」を流している。ちゃんと聴いているわけではないからいいかげんなんだけれど、日曜日に末広亭で聴いた古今亭菊春の演じ方に雰囲気がそっくりだ。こういう発見もちょっと嬉しい。

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを り「品川心中」「抜け雀」
古今亭志ん朝
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル (2002-08-21)
売り上げランキング: 25102

2011年03月25日

好楽一門チャリティ落語会に行ってきた

大震災から2週間目の本日、三遊亭好楽一門によるチャリティ落語会に行ってきた。場所は「諏訪台ひろば館」というところ。

三遊亭好楽一門チャリティ落語会


現地についたのは1時40分くらいだったかな。一門全員、三遊亭好楽師匠自ら入り口に立って募金箱を持っていたな。「あ、三遊亭好楽だ。あそこにしよう!」とすぐにそっちに募金して入場。

到着時には空席があったものの、開演時には満員となったみたい。後ろは枕のような椅子を並べていて、最前列は座布団という客席。最初は後ろに座っていたんだけど、お年寄り(平日の今日は当然客はお年寄りメイン^^)の方が椅子を使いたかろうと最前列に移動。

最前列から見上げた特設高座はこんな感じ。

落語・高座


落語の演者演目(太神楽や手品もあって「寄席」という位置づけだった)は以下の通り。

  • 三遊亭幸吉「子ほめ」
  • 三遊亭鳳笑「転失気」
  • 三遊亭上楽「長屋の花見」
  • 三遊亭兼好「犬の目」
  • 三遊亭圓左衛門「時そば」
  • 三遊亭王楽「ん廻し」
  • 三遊亭好太郎「猿後家」
  • 三遊亭好楽「ラーメン屋」

ぼくの習慣からイロモノ系を外しているけれど、寄席でもよく見る太神楽(名前を失念)は普段より面白かったなあ。

手品はほぼその時だけやってきた新小1で騒ぎまくる子供たちに邪魔されて可哀想だった。周囲から「どこの子だよ」という懐かしい非難の声が出ていたな。ぼくとしても久しぶりに自分の子ども嫌いを思い出すガキンチョを目にした感じ。

「犬の目」、「ん廻し」、「ラーメン屋」(柳家金語楼)は初めて聴いた。「ラーメン屋」における会話のやりとりはちょっと感動的だったな。ただどうも話の流れがよく飲み込めず、涙を流して良いのかどうか^^。サゲもよくわかんなかったんだよなあ、恥ずかしい。

いずれも好演で、ちょっと入場時の寄付額が少なかったなあ^^。


初代 柳家金語楼 落語名演集(一)
柳家金語楼(初代)
コロムビアミュージックエンタテインメント (2008-12-17)
売り上げランキング: 167020

2011年03月28日

談志の落語がよくわからない

煽ったりするわけじゃない。本気で立川談志の魅力がよくわからない。恥ずかしい思いをしてる。人気を集めた噺家だから、趣味はともかくとして良いところがあるはず。それがわからないってことは「大損」こいてるって話だよな。

dansi.jpg

枕があまり楽しいと思えないなんてのは単なる趣味の話でどうでもいい。特に気になるのは「噺の途中で現実に引き戻す(客席との対話を行う)」ところ。

ものの本によれば、噺が始まったあとは客席との直接的対話はあり得ないことだと書いてあったりする。

上に載せた画像は「文七元結」からだけど、噺の途中で「この前に別のシーンがあった方がいいね」なんてことを語りかける。これまでにDVDで見たのは「堀の内」、「居残り佐平次」、「天災」、「寝床」、「権兵衛狸」など。ほとんど話しかけないのもあるけれど、結構頻繁に客席への語りかけを行う。

客席への語りかけが行われると、どうしても一瞬「噺」への集中力が途切れてしまう。そんなことは当たり前のことで、それでも何らかのメリットがあるとして「語りかけ」を行っているんだろうけれど、その理由が全く想像できない。

「ここまでやったのは誰それバージョンで、誰彼バージョンだとこんな風に続く」なんて話が入るとはっきりいって不快なほどに邪魔。

「それでも語りをいれる理由」ってのはきっとどこかで語られてることなんだろう(先にも書いたように、絶対のご法度だと言う人もいる中で敢えて反対を行っているわけだから)。納得できるかどうかは別としてその理由が知りたい。

あと、これはぼくの耳の未熟さによるところが大きいと思うんだけど、登場人物が3人以上になったときの区別が難しい。メジャーどころの落語は他の演者で聴いているから補完できるんだけど、はじめての噺を談志で聴くとすごく混乱してしまう。

たとえばぼくがセットでDVDを持っている志ん朝と比べると「語り分け」のスタイルが全く違うように思う。これもおそらくは理由があってのことなんだろうけれど、その理由が創造すらできない。ぼくの理解では「単に分かりにくい」ことになってしまってる。

談志はDVDもたくさん出ていて、せっかくだからこれからも聴いていくつもり。ただ上の疑問が解決できないと、何を見ても疑問にばかり拘泥して注意力が落語に向かないなんてことになる。

どなたか(やさしく)「談志風落語の楽しみ方」を教えてくれないでしょうか。

立川談志 ひとり会 落語ライブ '92~'93 DVD-BOX  第一期
竹書房 (2007-06-22)
売り上げランキング: 37715

2011年04月02日

志ん輔昼トリ&菊之丞夜トリ@池袋演芸場 4/2

2ヵ月ほど前に落語に興味を持った。入ったのは古今亭志ん朝。まだまだ「誰が好き」って言える落語のお勉強も進んでないんだけど、古今亭志ん輔と古今亭菊之丞はちょっと好き。

4月上席の池袋演芸場は昼トリが志ん輔で夜取りが菊之丞。これは行かないわけにはいかない。

ikebukuru110402.jpg

注目の二人の演目は志ん輔「幾代餅」と菊之丞「愛宕山」。菊之丞は「愛宕山が似合いそうだなあ」ってことでCDを買ったばかりだったけどね^^。

かわらけ投げのシーンはさすがの志ん朝が大好きなんだけど、太鼓持ちをやらせたら「さすがの菊之丞」な雰囲気。CD(下にリンクあり)に比べるとサゲが若干強調されているかな。CDを聞いて「あれ」と思った部分なので、今日の演じ方の方が好き。

幾代餅はこちらも志ん輔本人のDVDを持っている^^。今日は期待のトリふたりとも手元にある演目だったわけだなあ。幾代餅は先代の馬生のCDもある。

古今亭志ん輔は「幸せ」の描き方のうまい演者だと思う。今日も生で見て幸せを感じてきたな。

全体の演目は以下の通り(ちょっと怪しいものもある):

■ 昼の部
古今亭半輔(前座) 「のめる」
桂才紫 「たらちね」
古今亭菊志ん 「権助提灯」
柳家さん喬 「そば清」
三遊亭円丈 「ガマの油」
古今亭志ん橋「出来心」(?)
鈴々舎馬風 漫談
古今亭志ん馬 「看板のピン」
林家錦平 「片棒」
古今亭志ん輔 「幾代餅」

■ 夜の部
古今亭きょう介 「子ほめ」
古今亭菊六 「浮世床」
古今亭菊太楼 「真田小僧」
古今亭菊丸 「宗論」
柳亭小燕枝 「天災」
桃月庵白酒 「壷算」
柳家はん治 「鯛」(?)
古今亭菊之丞 「愛宕山」

夜の部前座のきょう介。「大きい子どもだなあ」と言ってるところでちょっと大きな地震があった。「ほんとに大きい」なんてことを言うとまた大きめの揺れ。家のうさぎが心配になったけど、偶然の一致にちょっと笑ってしまった。

ところで昼の部の太神楽が「翁家和楽 社中」。太神楽ってよくわからない。実のところ「迷惑な存在だなあ」なんて思ってた。ところが今日の(誰がやったのかすら忘れたけど、先日の「好楽一門チャリティ落語会」の太神楽も面白かった)は面白かったなあ。

落語を観にいき始めて初、舞台に向かって「ブラボー!」の声をかけてしまった。「そろそろなんか言い出す頃だな」と思ってたんだけど、最初の掛け声が太神楽になるとは思ってもいなかった^^。

古今亭菊之丞名演集 1 「たちきり/愛宕山」
古今亭菊之丞
PONYCANYON INC.(PC)(M) (2009-05-20)
売り上げランキング: 117981

2011年04月03日

久しぶりの(?)鈴本早朝寄席

久しぶり(?)に鈴本演芸場の早朝寄席に行ってきた。演目は以下の通り。

鈴本演芸場11年4月3日早朝寄席演目

  • 古今亭朝太 「のめる」
  • 林家ひろ木 「転宅」
  • 春風亭朝也 「七段目」
  • 柳亭市楽 「錦の袈裟」

「のめる」は昨日の池袋がはじめてだった。「おお、偶然だなあ」と思ったんだけど、考えて見れば両方古今亭。そんな関連で演題に重なりが出たりするのかもなあ<全く違うかもしれない^^。詰将棋をしかけるあたりのやりとりは、シンプルな半輔版の方が好み。

ただ何はともかく、「朝太」って人を見てみたいとずっと思っていたのでまずは満足。

「七段目」は生で聴くのは二度目。以前も早朝寄席(三遊亭 金兵衛)で聞いたんだった。DVDは三遊亭圓彌のものを持っていて、落語が気に入って歌舞伎のDVDを買ったりもしてしまった。今日の噺でも「おかる」がうまく出ていたし、刀を抜くときの手順は一番ベーシックだけど、これまで見た中で一番手が込んでいた。

個人的に残念だったのは水をかけて気づかせるシーンが抜けていたこと。あれって他の噺とも繋がっていて(何かを見て「ああ、これと繋がっているのか!」と驚いた記憶があるんだけど、何と繋がっているのか忘れた)、結構楽しみなシーンなんだよな。

「錦の袈裟」は初めての演目。「錦の袈裟」って噺があるってのは聞いてたんだけど… 聞けて良かった。与太噺の勢いがあって面白かった。ただ与太郎の雰囲気がちょっと「完全な与太郎」ではなかったかなあ。これは他の演者とも比べてみよう。


圓生百席(32)錦の袈裟/猫怪談/鼠穴
三遊亭円生
ソニーレコード (1997-10-22)
売り上げランキング: 273032

2011年04月06日

かんかんのう

落語にはしばしば「かんかんのう」という言葉が出てくる。

ぼくは「かんかんのう」に「カンカン能」という言葉を勝手にあてはめて、なんだか「能」の音楽を「カンカン娘」風にアレンジしたものを想像していた^^。

全く違う。もともとは中国の歌だとのこと。


以下のDVD。わざわざ「かんかんのう入り」とうたっているのが、とっても「あやしい」^^。

六代目 笑福亭松喬 上方落語集 らくだ(平成20年度版~かんかんのう入り~)
笑福亭松喬(六代目)
コロムビアミュージックエンタテインメント (2009-08-26)
売り上げランキング: 435456

二日連続で「らくごカフェ」に行ってきた~その1

らくごカフェは神保町。うちからは九段坂を降りてすぐ。九段坂のあたりは桜が綺麗だ。例年は花見時期、交通(歩行)規制すらされる九段坂辺りだけど、今年は今のところ規制は眼にしてない(平日だからかもしれない)。

「花見っつーなら花を見んかいっ」なんて心のなかで叫んでたガキとしては、酒飲みついでの花見が減るらしい今年はちょっと嬉しい。もちろん「経済復興」だとか、そういう難しいことを考えなければの話だけれど。

sakura flower

ところでらくごカフェ。初日は柳家一琴根多下ろしTwitterでのご案内で急遽でかけることにしたもの。

本当は千秋楽にやる予定だったのが震災の影響でスケジュールはいろいろ変更になったらしい。

  • 「お血脈」
  • 「鷺とり」
  • 「らくだ」

「鷺とり」は枝雀のDVDを持っている。柳家一琴氏も、初めて聞いたのが桂枝雀の「鷺とり」だとのこと。もしかして「青亀の怖いとろろ」なんか言ったりするのかと思ったけど、さすがにこれはなかったな(笑)。

青亀の怖いとろろ

サゲは「坊さんの出した火花が江戸の半分を焼く大火に繋がった」というもの。これ、爪に火をともして暮らしていたおばあさんが出火の原因という「富久」なんかにも繋がって面白いね。「人を救う」と「人を掬う」の言葉遊びは、ダジャレを連発する枝雀版の方が分かりやすいかもしれない。

「らくだ」ってのは好きな話。最初は本で読んだ。最初に読んだときは本物のらくだが出てくるのかと思った。長屋で駱駝が死んでいるシーンを思い出して、筒井康隆風な世界を想像したな(笑)。

この日はまくらで、江戸時代とらくだの関係について触れていた。「江戸時代においてらくだってどういう存在だったのかなあ」なんて思ってたりもしたから、このまくらは良い感じ。人によっちゃあ「はて?」と話に入れないかもしれないもんな。

ちなみにうちにある「らくだ」は三笑亭可楽と古今亭志ん生のCD。志ん生の方は人が変わるまでのショートバージョン。この日はフルバージョンだった。後半部分にいろいろあったくすぐりは面白かった。但し連れに「火屋」と「冷や」が理解できなかったんじゃないかと危惧してるんだけど^^。

そういえば「かんかんのう」はちょっと長めに入っていて面白かったな。

桂 枝雀 落語大全 第二集 [DVD]
EMI MUSIC JAPAN (2002-04-11)
売り上げランキング: 4593

二日連続で「らくごカフェ」に行ってきた~その2

「柳家一琴根多下ろし」を予約するついでにスケジュールを見ていると、火曜日は春風亭一之輔と三遊亭天どんの二人会だってことでこちらも予約してみた(ちょうどスケジュールが空いてる時期なんすよ)。

桜を眺めつつ歩いていって、ちょっと早めに着くと既に行列。予約完売で当日券はなしとのことだった。

らくごカフェ高座
らくごカフェ高座 posted by (C)torisan

この日登場した二人についてはいずれも2度ずつ観ているのかな。天どんは二度とも「確定申告」。一之輔は「普段の袴」と「ろくろ首」。

で、今日は何をやるんだろうと思っているとまず一之輔は「ざる屋」。初めて聞いた噺。そしてその後に出てきた天どんが「品川心中」なんて超大物。しかも仲入りを挟んで上下コンプリートバージョン。

持っているのは六代目三遊亭圓生のCDと、古今亭志ん朝のDVD(他には映画「幕末太陽傳」でも扱われてたな。タイガー&ドラゴンでも扱われてたっけ)。双方ともに上のみで、圓生版は例の有名なサゲ、志ん朝版は「茄子だよ!」というサゲになってる。

終わりは一之輔の「野ざらし」。こちらは何度も聞いたような気もするんだけど、一度鈴本早朝寄席で金原亭小駒を聞いているだけなんだな。こちらもロングバージョンで、最後に幇間がやってくるところまで演じていた。

あ、そうそう。演者のせいと思うんだけど、会場はかなり女性率が高かった。どうでも良いことではあるけれど、ちょっとこういう会場は苦手だ^^。

幇間が出てくる噺と言えば、そういえば「鰻の幇間」が聴きたいなあ。八代目文楽のCDと志ん朝のDVDがあるんだけど、まだ生で聴いたことはない。志ん朝のDVDがすごく良くて気に入っている。

柳家権太楼のも面白そうかな。

柳家権太楼 名演集1 疝気の虫/鰻の幇間
柳家権太楼
ポニーキャニオン (2006-11-15)
売り上げランキング: 171467

寄席で牛丼喰わなくても良いんじゃないか^^?

もしかしたらごく普通のことなのかもしれない。ぼくの落語歴はこの2月に始まったばかりだし。

でもすごく驚いた。もっと言えば臭いに辟易した。池袋演芸場での話。近くの女性がおもむろに吉野家からテイクアウトしてきた牛丼を食べ始めたのだった。

吉野家豚丼の具 (冷凍) 10食
吉野家
売り上げランキング: 6193

牛丼はまだ温かかったようで、臭いも周囲にわっと広がった。まいった。

夜の部が始まったばかりで高座には前座。まあ確かにお腹がすく時間ではある。たださあ。そういう臭いのきついものは、食事以外を主目的にする場(インドア)に持ち込まないようにするのが普通の感覚じゃないのかなあ。サンドイッチでも遠慮したくなるけどな(他人のサンドイッチは平気。自分で食うとなると「玉子サンド」が好きなこともあって、勇気がいる^^)。

まあ、目当ての噺家が話しているときじゃなくてせめてもの救いだったかな。人情噺の最中にガサガサと食べ物袋の音をさせる人にも驚くんだけど、今日のはそのレベルをはるかに超えておりました。

池袋演芸場 2011/4/6 昼席仲入り~夜席

平日の池袋演芸場は空いてるかななんて思って行ったけど昼席はほぼ満員。驚いたなあ。夜席の方は若干空きがあった。

■ 昼席中入り後

  • 古今亭志ん馬 「ちりとてちん」
  • 林家正蔵 「悋気の独楽」
  • 古今亭志ん輔 「子別れ(下)」

■ 夜の部

  • 古今亭きょう介 「子ほめ」
  • 古今亭ちよりん 「動物園」
  • 古今亭菊太楼 「強情灸」
  • 桂才賀 「台東区の老人たち」(?)
  • 柳家さん喬 「抜け雀」
  • 仲入り
  • 桃月庵白酒 「権助魚」
  • 柳亭市馬 「ガマの油」
  • 古今亭菊之丞 「景清」

菊之丞の「景清」は今日CDが届いたところだっつーの^^。なんか菊之丞はCDを買うとそれをすぐに高座で聴くことになるって流れだな(笑)。

本日驚いたのは「抜け雀」。まさかそんな話が途中で入ると思ってなかったもので。いろいろと面白い点があったので、これはあとで別にメモを残そうと思う。

桂才賀は確か3度目だけど、3度とも同じ話だなあ^^。

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを り「品川心中」「抜け雀」
古今亭志ん朝
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル (2002-08-21)
売り上げランキング: 105104

2011年04月08日

友だちに落語DVDを貸してくれと言われた

貸し借りってのはまあ一般的に行われてることなんで許して貰えるかなあ。

友だちに何枚か落語のDVDを貸すことにした。メインは「古今亭志ん朝全集」の上下の全16枚より。

ぼくが落語に興味を持ち始めたとき、最初の頃(と言っても1月の話)に聴いたのは志ん朝だった。「聴きやすい人だなあ」とだけ思ってたんだけど、今はバイブル扱い。「ラグビーで言うと大西鐵之祐先生だな」なんてことを思ったりもしてる。ただ、大西鐵之祐先生とはなんどかお話しする機会もあったんだけど、志ん朝を生で観なかったのはすごく残念。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD]
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(D) (2008-10-01)
売り上げランキング: 4050

今回この全集から貸すのは以下の通り。全部貸すと観たくなったときに困るしね。もう何回も見直したものを中心に貸すことにした。

貸す際に「この作品はこうだよ」なんてことを伝えると先入観ができてしまうので、「あとで見てね」とメモを渡す。メモに書いたのは次のような内容。

  • 古今亭志ん朝1
    ・文七元結
    ・火焔太鼓

    どちらもあまりに有名な作品。確か「火焔太鼓」はお父さんの十八番だったとか。

    「文七元結」は、文七にお金を渡す場面について「あそこで渡すかねえ?」なんて議論があるそうな。ぼくにとっては渡すことがとても自然に思える。もちろん逡巡はあるけれど。この「逡巡」を表現するシーンも素晴らしい。
  • 古今亭志ん朝3
    ・二番煎じ
    ・抜け雀
    ・四段目

    「二番煎じ」はとても有名。「四段目」は歌舞伎を元にしたもの。「抜け雀」はなんだか最近寄席で演じられる頻度が高くなってる気がする。
    今回落語に凝るまで「人情系」落語の存在をイメージしたことがなく、存在自体を知っても「なんで落語で人情系なんだよ」なんて思ってた。でもこの「抜け雀」や、後に出てくる「浜野矩随」なんかは確かに「名作」。ぼくの大好きな作品。
  • 古今亭志ん朝4
    ・大工調べ
    ・宿屋の富
    ・浜野矩随

    「宿屋の富」はともかく面白い。いわゆる「落語らしさ」のよく出ている作品と思う。他の演者でもいろいろと揃えた作品。

    「大工調べ」もすごく有名なんだけど、話があまり好きじゃない。志ん朝の作品としては好きなんだけど、他の作品ほど繰り返しては見ていない。ただ、ちょっと「落語のリズム」に慣れたところで棟梁の啖呵を見直すと愕然とするかもしれない。この啖呵は確かに「ものすごい」。

    「浜野矩随」は超のつく人情物。ぼくはこれを見るたびに声を出して泣いてしまう。まあ「落語」のイメージからは離れてしまっているかもしれず、嫌いな人も多いんだという作品。尚、母親の死に疑問を持つ人がいたり、あるいは死なないように演じている人もいるとのこと。これもぼくにとっては死ぬことが自然。自分の全霊をかけて神頼みしたのなら、成果を見て振る舞いを変えることなどなく、きちんと死ぬのが正しい振る舞いに思える。
  • 古今亭志ん朝6
    ・寝床
    ・鰻の幇間
    ・夢金

    「寝床」は枝雀版との聴き比べも面白いと思う。作品自体も楽しい。

    ただこのDVDでのイチオシは「鰻の幇間」。演じる志ん朝がすごくいきいきしていて何度でも見直したくなる。
  • 古今亭志ん朝8
    ・反魂香
    ・口入屋
    ・井戸の茶碗

    ぼくの知り合いも最近落語に興味を持ち始め、いくつか聞かせた中で「『井戸の茶碗』はこれぞ落語というかんじですね」と言っていた。
  • 志ん朝下2
    ・船徳
    ・厩火事
    ・芝浜

    いずれもむちゃくちゃ有名な作品。人情系だけど、ぼくは「芝浜」が好きだな。人情系といっても笑いの要素が大きくて良いバランスがとれてると思う。

    この「芝浜」は柳家小三治という人が演じたものも出ていて(ぼくはCDだけ持っている)、実はそちらの方が「泣ける」。だけどトータルなバランスでみたときはぼくは志ん朝版が好き。

志ん朝ばかりではわかりにくいかと選んだのは枝雀。枝雀落語大全を持っていてどれも面白いんだけど、まずは第一集の「寝床」と「代書」。

桂 枝雀 落語大全 第一集 [DVD]
EMIミュージック・ジャパン (2002-04-11)
売り上げランキング: 1723

「寝床」は志ん朝版もあり。聴き比べが楽しい。でもこのDVDではやはり「代書」。出てくる「生年月日!」はあまりに有名なクスグリ。生まれた日ぃのことについてのやりとりは何度聞いても笑える。

そしてもう一枚は現役の噺家から、古今亭志ん輔。演目は志ん朝のものと同じで、比べてみるのが楽しいと思う。ただよく考えるとぼくはこのDVDをまだじっくりと見てないな…。寄席で何度も見てるから、戻ってきてから改めて観ることにしよう。

と、「文七元結」をちらと流してみてみたんだけど、志ん朝から受け継いでいる部分と独自の部分がわかりやすくてすごく面白いと思う。

本格 本寸法 ビクター落語会 古今亭志ん輔 其の壱 [DVD]
ビクターエンタテインメント (2007-11-21)
売り上げランキング: 69449

2011年04月10日

柳家一琴のネタ下ろし会に行ってみた(二度目)

前回に引き続き、柳家一琴のネタ下ろしに行ってみた。演目は

  • 時そば
  • 野ざらし
  • 火事息子

■ 時そば
ネタ下ろしで「時そば」と言われるとちょっと驚くよね。素人からすると、噺家はみんな「時そば」なんかはやれるものだと思ってたりする。でも3月20日の末広亭では桂文楽が昼席のトリでやっていたりしたなあ。

ともかく、この日、一番驚いたのも実はこの話だった。「ネタ下ろし」なんて言われると、ちょっとしたトチリや気になるところを期待(?)してしまうものだけど、完成度が高かったように思った。この点さすがにメジャーな演目ということなのかな。独自の(?)くすぐりの数々も十分にこなれていた感じだった。

さほど好きな演目ではないんだけれど、十分に楽しめる内容だった。

ところで全くの余談だけど、この落語では「割り箸」を「良い物」として扱ってる。一時期の「環境ブーム」の頃はやりにくいネタだったりもしたのかなあ。このネタを聞くたびにそこが気になってしょうがない。

■ 野ざらし
尚、好きじゃないと言えば「野ざらし」もあまり好きな演目じゃない。見所は歌だけかなあ。骨を釣りにいく八つぁんのバカバカしさが唐突すぎて何も感情移入できるところがないからかなあ。

あるいは「十六、八」「シチは流れた」とか「こういうことだ」そういうことか」や、「陽気な鐘の音」、「紙入れを懐にしまったな」、「つかつ、で表に出てしまう」なんていうさして面白くもないクスグリが多すぎるからなのか。

はたまた話が面白くないのは共通認識で、よってクスグリ連発の話として定着してきたものなのか。サゲもいろいろな版があって、それもまた噺の面白くなさを示すもののように思ってしまう。

今日のネタ下ろし会に行くかどうか悩んだのもこの「野ざらし」があるせいもあった。わりと「積極的に聞きたくない」話だったりするわけ。

魚釣りに来ている人を巻き込んでの馬鹿騒ぎも唐突な感じで、同じような展開をみせる「湯屋番」に比べても「とってつけた」感じがしてしまう。

なんてことをさんざん書いてWikipediaを見てみた。

古今亭志ん朝によれば、この噺で最も難しいのはサイサイ節である。(6代圓生の専売特許だった「庖丁」で「八重一重」、「三十石」で「舟唄」が最も重要なのと同じ) そしてサイサイ節がこの噺のクライマックス、聞かせどころである。後の落語家たちにとって、高い関門となった。

ああ、やっぱりそういうことなんだよね。聞き手にその「サイサイ節」を楽しむ能力がなければ楽しめない噺ということだ。ぼくにはまだ敷居が高い。

と、演目自体については文句ばかり言ってる。ただ本日の噺は別に「つまらない」なんとは感じ無かった。話もしっかり流れていた感じがしたな。また、これまでに聴いたものと比べると、最後に出てくる「幇間」に存在感があった。「野ざらし」の従来型からするとずれるのかもしれないけれど、幇間の存在感の出し方次第では、ぼくのように教養レベルの低いものにも楽しめる話になるのかもと感じた。

■ 火事息子
と、いうわけで本日一番期待して出かけたのはこの火事息子。手元には志ん朝のCDがある。ただこれもまだ聞き込んだわけじゃなく、流して何度か聞いたくらい。この日聞きに行く予習に最後の部分をちょっと聞いてみたんだけど、そのうちにもっと時間をかけて聴きこもう。

で、この日の話。出だしがかなり志ん朝版とは異なっていて、もしかしたら同じタイトルの別噺かと思った。もちろんそんなこともなく、「三代目桂三木助師の型」だとのこと。またいろいろな演者のものを聴いてみようと思う。

~ 生意気注意
・屋根の上の番頭の振る舞いが、あまりに軽すぎるように思った。屋根の上での息子との会話は、まるで定吉がしゃべってるみたいだった。

・息子が火消しにならないように親方に手を回したって話はあった方が良いと思う(志ん朝版にはある)。一時の気の迷いと干渉した結果、親の側にも引け目ができてしまったことが話の展開に繋がると思う。ただこれはぼくが志ん朝版にのみ引きずられているせいかもしれない。

あるいは息子の進路にちょっかいを出してしまった後悔のニュアンスが入らない代わりに、志ん朝版にはない(?)乳母の話が入っているのかもしれない。動機付けの方法が全く違っているということなのか。これはちょっと勉強してみなくちゃいけないな。

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを る「火事息子」「厩火事」
古今亭志ん朝
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル (2002-09-19)
売り上げランキング: 59006


泣ける落語「おせつ徳三郎~刀屋~」「火事息子」
桂三木助(三代目) 古今亭志ん生(五代目) 古今亭志ん生(五代目) 桂三木助(三代目)
コロムビアミュージックエンタテインメント (2009-07-01)
売り上げランキング: 354775

寄席通いの中で最悪の思い出

今日、鈴本演芸場に出かけたのは悲しい思い出として残りそうだな。

毎度同じ話となる馬風や川柳の楽しみ方がわからないってだけじゃない(まあそれも大きいんだけど)。主な悲しみは客席から。

花見シーズンで、かつ上野という場所だからちょっといやな気はしてたんだよなあ。

現地には11時30分に到着。短いながらチケット購入の列がある。まず最初は自らが詰めて並んでいないせいなのに、自分の前に並ぼうとした人に対して鼻で「ふん!」(あっちだ)と指示した人。「ふんっ」とか言う前に列は詰めなよ。で、口で言えばいいと思うんだよなあ。

そんなことで気分が悪くなる。

12時会場で列が動き始める。突如ぼくたちの前に現れた壮年カップル。鈴本演芸場の係員の対応は良かったな。「後ろに並んでください」。その壮年カップルが「並んでたのよ!」というのを聞いて「並んでいたなら結構です。並んでらしたんですね?」と。

客に向かって「嘘つけ、並んでねえよ」とはあまり言えないもんなあ。カップルの言葉は大嘘なんだけどね。

そんなこんなで「やれやれ、花見の時期の上野だよ」と(自粛しろよ。いや、自粛しちゃったからこっちにきちゃったのか?)。

  • 春風亭ぽっぽ 「牛ほめ」
  • 川柳つくし 「健康診断に行こう!」
  • 柳家小せん 「あくび指南」
  • 鈴々舎馬風 漫談
  • 古今亭志ん輔 「目薬」
  • 桂南喬 「無精床」
  • 三遊亭歌之介 「竹の水仙」
  • 橘家圓太郎 「祇園祭」
  • 柳亭小燕枝 「長屋の花見」
  • 川柳川柳 「ガーコン」 & 「ラ・マラゲーニャ」

開演前の雰囲気はもちろんプログラムがはじまっても継続される。こんな日に女流二連発ってのも問題だったんじゃないか。客席のざわめきはおさまらず、普通の声での会話が継続。人が誰を聞いていようがおかまいなし。「あたしら客なんだから」と顔に書いてあった。

で、まあぼくの前の席の夫婦もなんだかんだと話し続ける。噺の続いている最中だろうががさがさと何かを取り出して音を出しながら食い続ける。面白かったのは奥さんの方。「あの斜め後ろの人うるさいわね!」。

まあ確かに斜め後ろのおじいさんはうるさかった。噺家が何か言うと「ふん。ふん」と声に出していちいち返事をする。「あはは。そりゃねえよ」なんて返事をする。まあ「口元がゆるくなってしまった人なんだろう。

このおじいさんもまあ迷惑に感じたけど、夫婦で勝手に話をしていた奥さんも十分迷惑だったんっすけどねえ。

志ん輔が演じる瞬間は、ほんの一瞬客席もステージも一体になった感じがした。志ん輔がいつものパワーで、パワーの活きる「目薬」をやってくれたのは良かった。

ただ結局はここまで。「無精床」「竹の水仙」「祇園祭」「長屋の花見」と、プログラム的には面白い話が続いたがいかんせん今日の客を巻き込む「パワー」がない。また結局はざわざわとまとまりのない客席に逆戻り。

今日が初めての寄席だったら絶対に寄席ってものが嫌いになってだだろうな。今日が初体験じゃなかった幸運を思いながら会場をあとにすることになった。

昭和の名人~古典落語名演集 五代目柳家小さん 六
柳家小さん(五代目)
キングレコード (2009-03-11)
売り上げランキング: 363318

2011年04月11日

復興支援寄席@鈴本演芸場に行ってきた

追記柳家初花のツイートによると、集まった義援金は約50万円とのこと。あの会場に、あれだけの協会員を集めたにしては少ない印象だ。

ちなみに前回でかけた(はるかに小さいキャパで行われた)三遊亭好楽一門チャリティ寄席で集められた寄付金は30万円強だった。

金額の多寡が全てじゃあないけれど、行動する以上は成果を出したい。「てめーの出した額も…」ってのはあるけれど、集める工夫はあったはずだよなあ。

追記終わり。

9時半会場の10時開演。11時半までの「復興支援寄席」ってのに行ってきた。

落語協会復興支援寄席チケット #rakugo
落語協会復興支援寄席チケット #rakugo posted by (C)torisan

平日の朝ってことで誰もいないんだろうと思い、9時40分くらい到着で行ってみた。

まず驚いたのはおおぜいの噺家が鈴本の前にたくさん出張っていること。あまりに賑やかで入場を戸惑ってしまったほど。

少人数なら志ん輔のところで募金をして「このところ追っかけてます」なんてお話させてもらおうと思ったのにそれはかなわず^^。志ん輔を見失ってしまったので、志ん輔の募金箱に入れる予定額よりちょっとおさえて募金(笑)。

いや、いやらしい書き方だな。5千円入れるつもりだったのを4千円にしたって話。実は5千円札がなくて、かつ千円札が4毎しかなかったんだ。入場料千円と併せて5千円。

演目は以下の通り。ちなみに志ん輔と正蔵の出番はじゃんけんで決まった(でき勝負なのかどうかは不明)。

  • 志ん輔&正蔵 前口上
  • 古今亭志ん輔 「豊竹屋」
  • 林家正蔵 「狸の恩返し
  • 林家木久扇 (わからない。漫談かなあ)
  • 柳家小三治 「小言念仏」

思うんだけど、志ん輔の「場をひっぱる力」は大したものだよなあ。昨日も寄席が嫌いになってしまいそうな雰囲気の中、孤軍奮闘といった感じだった。3月20日の「夕立勘五郎」も場内のりのりになったし、4月2日の池袋では「子別れ(下)」を存分に聞かせてくれたし。

また林家正蔵も「ガキ」の話に味があって面白いじゃん。下らないテレビ番組でのイメージはそろそろ消してみたほうが良いのかもしれない。2月26日池袋の「四段目」も、定吉は良い味が出てたと思う。4月6日の「悋気の独楽」でも小僧の様子はよく描けてたように思う。

真摯に古典をやりたい人だという話だから、そろそろなんか大物を聴いてみたいな。

小三治を生で観るのは初めて。たまたま入手した「芝浜」に驚いたくらい。ただ氏の本は馴染みの本屋で何冊か買っている。今日はもっと大物で来るのかと思ったけれど、まあそういう場じゃない。「小言念仏」は初めて聞いたけど、なかなか面白そうな話だった。

ま・く・ら (講談社文庫)
柳家 小三治
講談社
売り上げランキング: 12529

2011年04月14日

復興支援寄席に関する動画

先日出かけた落語協会復興支援寄席に関する動画が公開されていました。

初日には芸人100人弱も繰り出したにも関わらず、集まった額は50万円弱ということ。「効果」の面では疑問も残るイベントとなった様子。

著作のサイン本オークションなどといった「仕掛け」はなにもなく、単に入場料1000円の寄席で募金を募るだけだった。また噺家の方々も忙しそうで目当ての噺家のところに募金にいくということもままならない状況ではあった。

これだけの師匠連が集まればもっと「効果」を見込めるはずで、そうした観点からは残念だったと思ってる。

2011年04月15日

林家正楽の「復興支援寄席」が見られて良かった!

鈴本演芸場で行われた、落語協会による第二回復興支援寄席に出かけてきた。

鈴本演芸場の前に集まる噺家の数は前回と比べると大幅減。まあそれは当然のことで何の問題もない。ちょっと遠目に見渡して目についたのは林家正蔵。彼の募金箱に4千円を入れて「四段目など、楽しく拝見してます」と。

林家正蔵の返答はなかなか良かったな。「い~んですよお、ぼくなんか褒めなくても」(笑)。いや、でも本気で期待してるんっすよ。前回の「狸の恩返し」もなかなかのものだったし、そろそろ大物ネタも聴いてみたいと思ってるとは前回も書いた。

ちなみに今日一番期待して出かけたのは柳家さん喬。

本格 本寸法 ビクター落語会 柳家さん喬 其の壱 [DVD]
ビクターエンタテインメント (2007-11-21)
売り上げランキング: 52072

これまで2度(「抜け雀」、「そば清」)聴いて、結構好きになった。「抜け雀」のアレンジもなかなかのものだったし、「そば清」は面白く聴くことができた。今日演じたのは「転宅」。金を抜き取るところはなかなか迫力があったなあ。前に聞いたときにディテイルがよくわからなかった話に興味を持つことができた。

演目は次の通り。

  • 古今亭志ん馬 「看板のピン」
  • 柳家さん喬 「転宅」
  • 桂文楽 あいさつ・雑談
  • 林家正楽 紙切り
  • 橘家圓蔵 漫談(落語ミックス)

落語らしい落語が2席しかなかったのはとても残念。橘家圓蔵の漫談はわりと面白かったけれど、やはり噺が聴きたい。

本日一番は林家正楽の紙切り。客席からの演題「復興支援寄席」に応じた紙切りは素晴らしかったなあ。この紙切りに対して千円、追加で募金箱に入れてきた。

2011年04月17日

古今亭菊志ん@らくごカフェと鈴本演芸場をハシゴしてきた

本当は早朝寄席とらくごカフェのハシゴ予定だったんだけど予定変更。らくごカフェと鈴本演芸場の夜席をハシゴしてきた。

夜席のトリは古今亭菊之丞。で、ぼくがノボリの写真を撮ろうと思うといつもノボリは裏を向いているんだよなあ…(笑)。

ここんていきくのじょー
ここんていきくのじょー posted by (C)torisan

古今亭菊志ん@らくごカフェの演目は以下の通り。

  • 百年目
  • 長屋の花見
  • あたま山

いちばんの目的は「あたま山」。八代目林家正蔵のCDを持っているんだけど、生ではまだ聴いたことがない。

ラストに演じられた「あたま山」は「百年目」と「長屋の花見」をミックスした内容になってた。こういう「味付け」は往々にしてつまらなくなるんだけど、今日のミックスは面白かったな。八代目正蔵の方は主に「お囃子を聴いてくれ」って感じで語りは淡々とした感じ。その淡々とした馬鹿話も面白いけれど、今日の「お馬鹿な馬鹿話」もやはり面白い。

驚いたのは「百年目」。マイバイブルの古今亭志ん朝DVDに入ってるんだけど、あまり好きな話じゃない。盛り上がりがあまりないように感じるんだけど、なかなかの長編で聴くのにパワーがいるように思うんだよな。

今日の「百年目」は、志ん朝版よりもやや説明的になっていたと思う(志ん朝版もあまり聴いていないから嘘かもしれない)。ただ説明が冗長にならず、むしろ話が掴みやすくなっている感じがしたな。これが面白かったのは儲け物(^^)。

鈴本夜席の演目は以下の通り。

  • 林家扇 「元犬」
  • 古今亭志ん吉 「転失気」
  • 古今亭菊生 「新聞記事」
  • 柳亭燕路 「トンビの夫婦」
  • 橘家文左衛門 「手紙無筆」
  • 春風亭正朝 「野ざらし」
  • 五明楼玉の輔 「紙入れ」
  • 古今亭菊之丞 「らくだ」

古今亭志ん生 名演集4 抜け雀/百年目/元犬
古今亭志ん生(五代目)
ポニーキャニオン (2005-10-19)
売り上げランキング: 95711

まずはともかく開口一番が「元犬」だったことにびっくり。元犬はYouTubeでしか見たことがないんだけど、もっと後にやられる演目だと思い込んでいた。

「手紙無筆」は本でしか読んだことのなかった話。落語にありがちな噺だけれど、その分いろんな演者で聴いてみたいと思っていたのでラッキー。

そして菊之丞の「らくだ」は本日2度目の大びっくり。初心者なぼくのイメージでは菊之丞の持ちネタに「らくだ」があるようには思ってなかった。わりとストレートな「らくだ」で、ぼくの大好きな「生き返らないように頭を潰しておいたか」というくすぐりも入ってなかった。意外に(?)らくだキャラに違和感は感じなかった。

他の演者がくすぐりを入れたり、ちょっと拘って長めに演じるところをすっと演じたのは菊之丞アレンジなのかな。またどこかで聴いてみたい。

尚、演じたのは屑屋が豹変するところまで。おひらきになって鈴本演芸場の外で立っていると終演直後に帰路を急ぐ菊之丞を発見。もしかしたら単純に急いでたのかもしれない(笑)。

ちなみに。

いつも寄席にいってはなんだかんだと文句言ってるみたいだから書かずにいようかなと思ったんだけどやっぱり書く。今日はマクドナルドのポテトの臭いで頭がいたくてしょうがなくなった。

ときによると食欲をそそる臭いなのかもしれないけれど、やっぱりああいう場所で臭いのきついものは控えて欲しいと思うんだよな…

2011年04月20日

和ませてくれる古今亭志ん朝

古今亭志ん朝のDVDが、落語におけるぼくのバイブルになってる。

その下巻、「宗珉の滝」という話のまくら部分で、古今亭志ん朝がちょっとした失敗をしでかしてる。自分のことを「ぼく」と言ってしまい、ちょっと困ってしまっているのだ。

このシーンはとても好き。「宗珉の滝」は、ちょっと「名作」の解釈を疑問に思うところがあって純粋には楽しめない。だけどこの言い間違いにはすごくなごむ。

これはいいよ~。疲れたり落ち込んだりしたとき、これを見れば一発で回復する(^^)。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD]
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(D) (2008-10-01)
売り上げランキング: 13796

2011年04月23日

すごく盛り上がった池袋演芸場 2011.04.23 昼席

どこに行こうかなと各寄席のサイトを見て決めたのは池袋演芸場。ただ、柳家三三も出ると思ってたら代演だった。柳家三三は一度しか聴いたことがなく、まだ何も知らない人なんだけど、どうやら間接的な知り合いらしいんだよな。ちなみに林家正楽も代演だった。

本日の池袋演芸場
本日の池袋演芸場 posted by (C)torisan

ただ、面白い寄席だったなあ(イロモノは席を経ったので、面白い寄席というのは語弊があるかもしれない)。「席を外していれば良かった」と思ったのは林家木久扇の漫談くらい。「笑点」や「ラーメン党」の話をされてもわからないんだよな。どちらも全く知らない。

  • 鈴々舎やえ馬 「子ほめ」
  • 桂三木男 「転失気」
  • 三遊亭歌奴 「夢の逢瀬」
  • 柳家喬之助 「長短」
  • 入船亭扇遊 「干物箱」
  • 林家しん平・漫談
  • 古今亭菊之丞 「町内の若い衆」
  • 林家木久扇・漫談
  • 三遊亭萬窓「らくだ」

鈴々舎やえ馬は関西出身の前座。ちょっとした大阪弁を隠さずにそのまま使う演者。大阪弁が嫌味にならず、なかなか普通に面白い噺家だと思った。

桂三木男はなんとなく朴訥とした感じ。話もよくある「転失気」。ただなぜだか分析できないんだけど、ところどころふと笑い声を漏らしてしまうところあり。興味深い噺家としてチェック。ちなみにサゲは「ナラ・ヘーアン時代」の方。

続いての三遊亭歌奴「夢の逢瀬」もふつうに面白く、普段の寄席ならこれを聴いただけで「良かったなあ」と思ったことと思う。ただ本日の圧巻は柳家喬之助の「長短」。長短は変な間延びを耐え忍んでこその面白さって感じがあるんだけど、今日の「長短」には間延びも何もなし。面白さだけが感じられる内容に仕上がっていた。これを聴いたのは良い思いでだぞ。

入船亭扇橋の「干物箱」も、これまでCDでしか聴いたことがなかった。「まあそういう話しよね」レベルに思っていたのが、今日の話を聴いて興味を持ち直した。これも普段の寄席なら「きて良かった~」と単独で思わせてくれるレベル。

ところで古今亭菊之丞の「町内の若い衆」は初めて聴いた。いやあ、こんな話、アリなんだなあ(笑)。前回の鈴本での(短縮版)「らくだ」よりも、やはり菊之丞カラーにあっていて面白く鑑賞。

三遊亭萬窓の「らくだ」は、ぼくの大好きな「頭をつぶしておけ」のくすぐりも入ったバージョン。屑屋が逆襲を始めるところまでのもの。ただ本日の内容の濃さに興奮しきっていたのか、「らくだ」はあまりきちんと聴いていることができませんでした。反省。

親子できこう 子ども落語集
柳家喬之助 三遊亭金馬(三代目) 古今亭志ん生(五代目) 金原亭馬生(十代目) 古今亭今輔(五代目)
コロムビアミュージックエンタテインメント (2008-11-26)
売り上げランキング: 64560

2011年05月01日

黒門亭で「宿屋の富」と「鰻の太鼓」、「火焔太鼓」を聴いてきた

GW落語第一弾は黒門亭。「宿屋の富」と「火焔太鼓」の演目が事前に発表されていたので行こうと決めたもの。

両方を聴くには一部・二部の両方を聴かなくちゃいけない。で、黒門亭は畳に座るので壁にもたれかかれる席が一等席(畳に座り慣れないぼくにとってはということ。昔は何時間正座をしていても平気だったんだけどなあ)ということになる。

そんなわけでちょっと早めに到着して無事壁際ゲット。ただ今日はすいていたので、壁際でなくてもさほど疲れなかったかもしれない。

本日の黒門亭一部 #rakugo
本日の黒門亭一部 #rakugo posted by (C)torisan

まずは前座の柳家フラワー。語りだしがやけに緊張気味でちょっと笑ってしまった。でもこれが逆に「頑張れっ!」なんて思わせる素振りでナイスかもしれないな。客の下足番も兼ねるまめまめしさもあって好感度は高いぞ(^^)。

二番手は三遊亭金時「鰻の幇間」。演目はアナウンスされていたのかなあ。ちょうど始まる前に『志ん生的、文楽的』(平岡正明)の「鰻の幇間」についてのところを読んでいるところだった。シンクロニシティだな。

志ん生的、文楽的 (講談社文庫)
平岡 正明
講談社
売り上げランキング: 500158

ちなみにこの「鰻の幇間」。文楽と志ん朝でしか聴いたことがない。徹底的に幇間をやっつけながら滑稽味を失わない志ん朝版がすごく気に入っている。志ん朝がすごく楽しそうに演じるんだよな(DVD)。落語名人会27に収録されている「御慶」と同じくらいにノリノリの志ん朝が楽しめる。

落語名人会(27)
落語名人会(27)
posted with amazlet at 11.05.01
古今亭志ん朝
ソニーレコード (1995-11-22)
売り上げランキング: 44022

今日の「鰻の幇間」も志ん朝版に近いのかなと思ったんだけど、少々時短版なのかなあ。鰻屋行く途中に幇間の下駄に注目するくだりはあった方が面白いと思うんだけどなあ。

自分の高価な下駄を履いて帰られたとき、志ん朝は「やられた」の思いと「あいつ、すげえな」の気持ちを出してる。それが鰻屋への往路で幇間の履物に注目することによって仕込まれると思うんだよな。ただ今日の演じ方では、履物についえては「がっかり」の気持ちを前面に出していたみたい。だから解釈が違うということなのかもしれない。

ちなみに自分の服の中に仕込んでいた十円札。丸まって自分の側に戻ってきたがっているというくすぐりはあまり面白くなかった。ただそれを見た女中が「芸人は面白い」とつぶやくシーンでは爆笑してしまった。十円札が帰ってこようとするってのはなんだかくどい感じがするんだけど、あの女中発言の面白さを考えればありなのかな。

橘家二三蔵の「神田松五郎」ってのは初めて聴いた。ひきとった子供の悪童ぶりと、その悪さの本当の原因を示す辺りにちょっと唐突な感じを受けてしまった。初めて聴く話だけに、大事なところを聞き漏らしてしまったのかもしれない。

柳亭小燕枝の「意地比べ」も初めて。主人公になりそうな人物がたくさん登場してちょっと混乱した。「意地」の話なら「恩金」なんていう人情系の単語が出てこない方が面白い話になりそうだな。ただこれも、初めて耳にする噺なので大事なところでぼーっとしてたのかもしれない。本当は噺を聴く前にきっちり勉強していきたいなあ。

そして次が本日のお目当てその一だった三遊亭金兵衛の「宿屋の富」。これも最初は志ん朝のDVDで見てすごく気に入った噺。こちらは志ん生、志ん朝、笑福亭松鶴のCDもある(笑福亭松鶴は「高津の富」)。枝雀のDVD(やはり「高津の富」)も持ってる。

「子の1345番」が自分の番号と違うと思い込むところの見せ方はやっぱり志ん朝が出色だと思ってる。あそこはやっぱり間や振る舞いで見せて良いんじゃないかと思う。

今日の演出では、この当選番号の見間違いシーンよりも、その後の宿屋でのシーンに重きを置こうとした様子。それはそれで面白い試みなのかもしれない。

桂 枝雀 落語大全 第六集 [DVD]
EMI MUSIC JAPAN (2002-04-11)
売り上げランキング: 15155

黒門亭第二部
黒門亭第二部 posted by (C)torisan

二部もまたフラワーの噺で始まり。噺はよくある「道灌」。今回の方が緊張も消えて良かったと思うな。まあ彼のことを「応援」するモードになってたから贔屓耳になってんのかもしれないね。

ところでこの「道灌」に出てきたクスグリ。「粗末な家があばら家なら立派な家は背骨家かい?」というクスグリに反応してしまった。このクスグリはよくあるもの? ぼくの記憶にはあまり残ってない。よくあるものだとしても、このクスグリをちゃんとぼくの耳に届けてくれたのはナイス。

古今亭志ん橋は「天災」。「雨だ雨だ」と走っていくシーンが面白かった。「天災」は以前柳亭小燕枝のものを聴いているな。話自体はあまり好きじゃない。紅羅坊名丸(べにらぼうなまる)に説教をくらったのちに「お前に喧嘩を回さなくちゃいけないんだけど」というシーンが気に入っているんだけど、今日はちょっとそのやりとりが軽かったな。

古今亭菊千代の「厩火事」は、相談に行く相手が女の人に変わってた。ぼくにはまだこういう改変を受け入れる能力がない^^。

そして古今亭菊太楼は「火焔太鼓」。これは志ん朝のDVDに2つ入っており、CDは志ん生のものを持っている。志ん朝のDVDは「松の木」をめぐって別解釈があり興味深い。

今回の古今亭菊太楼はネタ下ろしなのかなあ。1週間後にはまたバージョンアップした版をお聴かせするというような噺をしていた。

噺は面白く聴かせてもらったんだけど、奥さんとのやりとりに色が少なかったかなあ。一応、旦那対女房の対立関係はあるものの、そこに面白さを持ち込む演出じゃあなかった。今日の演出でも大名屋敷の松の木に注目するシーンはあったんだけど、それをやるのなら女房とのやりとりにもっと色を持ち込んだ方が面白いように思う。

ただ、確か志ん朝版でも後期のもので「松の木」を軽く扱ってたように思うので(勘違いかもしれない)、いろいろと理由があるところなんだろうな。

あと、大名屋敷に持ち込んだ時点での古道具屋の「逃げ腰具合」はもっと強く描いた方が面白いと思う。今日の演出でもいくつか「逃げ腰」を表現するところがあったけれど、それならばそのための仕込みがいるんだと思う。

なぁんて。

今日の感想はすべからく偉そうだ。2月に落語デビューをして3ヵ月。4分の1年が経過した。ちょっと偉そうに書いてみようかと頑張ってみた(笑)。

2011年05月04日

末広亭深夜寄席(四派で深夜) 2011/5/4

行こうかどうしようか悩んでた。雨を見て「これなら新宿も空いているんじゃないか」なんて。ついては新宿でお好み焼きを食ってから深夜寄席を見ようと決意。

が。新宿についてみると混んでたなあ。おまけに目当てにしてたお好み焼き屋がなくなってた。それならばと第二目的地と設定していたトンカツ屋(とんかつ三太)。こちらで塩でヒレカツを食って末広亭。

立川流を見るのはたぶん初めてだ。「たぶん」というのは2002年頃に何度か落語に足を運んだものの、当時は誰を見たのかどんな話を聴いたのかも全くわかっていなかったため。深夜寄席も当時以来。ちなみに立川談志は何本もDVDを観て本も読んだもののよくわからず。

ついたのが40分ほど前だったかな。誰も並んじゃいないので近くの立ち飲み屋で酒を飲んで時間つぶし。

ちょっと飲んでいるうちに15人ほど並んでいたかな。行列に参加してすぐに開場。

  • 三遊亭楽大 「短命」
  • 立川志の八 「ぞろぞろ」
  • 昔昔亭A太郎 「ウサギとカメとアリとキリギリス」
  • 柳家喬之進 「仏馬」

ちなみに新作は全く知らなかったけれど、こちらのツイートからタイトルを頂き。尚、タイトルのみならず、サゲもよくわかんなかった…

ともかく。

「ぞろぞろ」が面白かったな(まくらは…)。これまで聴いたのは柳家右太楼と蜃気楼龍玉で聴いたことがある。CDで持っているのは八代目・林家正蔵。生で聴いた中では一番反応しちゃったかな。最初の立川流が面白かったってのは幸先が良いじゃないか。ちなみに出囃子は古今亭志ん生の出囃子で驚いた。本人もこの出囃子を使ったことに言い訳していた。

サゲ近く。泥棒が槍を避けるのは良いけれど、そこまでで良かったんじゃないのかなあ。「血がだくだく」で終わらないのはちょっとくどくかんじてしまった。

ところで三遊亭楽大の話に出てきた「上目遣い」。言葉の意味を間違えていたように思うな。見上げるようにするのが上目遣いで、見下ろすようにするのは違うぞ。

決定盤!寄席囃子100
決定盤!寄席囃子100
posted with amazlet at 11.05.04
オムニバス
ソニー・ミュージックダイレクト (2009-12-09)
売り上げランキング: 59129

2011年05月05日

『志ん生生誕121年』復興支援寄席@鈴本演芸場

落語協会のウェブには9時半開演とあったけれど、実はいつも通り9時半開場だったみたい。

  • 古今亭菊生 「皿屋敷」
  • 金原亭世之介 「堪忍袋」
  • 金原亭馬生 「そば清」
  • 古今亭志ん橋 「池田大介」

菊生曰く、「幽霊」というのは「生前の美人」、「おばけ」というのはそうではない人。「皿屋敷」はCDでも聴いたことがなく、ふつうどんなクスグリを入れるのかもよく知らない。今日観た限りでは「お菊さん、たっぷり!」「どうするどうする!」は笑っちゃった。

世之介曰く。復興支援寄席は今後、奇数月にやっていくとのこと。復興支援もなかなか大変だが、自粛ムードの中、予定のキャンセルはきつかったと。「7キャンセルシーベルト」は相当きつい、と。

話はすごくメジャーなんだけど、この話も文書でしか読んだことがなかった。立て続けに初めて聴く話がきてちょっと悔しいけど、、、まあ嬉しい^^。

馬生は蕎麦とうどん、きしめん、とろろそばの食い分けが面白かったな。落語家の芸、おそるべし^^。話としてはそば清の「芸人らしさ」(?)がすごくよく出てた。

「池田大介」には「饅頭喰い」が出てきたな。この前観た枝雀の「三十石」にも出てきた。どんなもんかなとGoogleのImage検索をするとかなりいろんなものが出てくる。

manju-kui.jpg

2011年05月06日

古今亭志ん朝「宗珉の滝」に関するちょっとした疑問

以前紹介した古今亭志ん朝の「ぼく」発言。

この話はDVD所収「宗珉の滝」でのもの。「ぼく発言」はすごく気に入っているんだけど、この話自体はどうもすっきりこないところがある。

出だしはありきたりなのかもしれないけれど、わりと好きだ。「これが私の作品です」と、虎の彫り物を見せると、見せられた宿屋の主人が「なぜ死んだ虎を掘るんだい?」と問いかける。芸術作品にありがちな「幻想」だと切り捨てる意見もあるだろうけれど、江戸時代のこと、埋れている目利きがこんなところにいる可能性だってないではない。

彫物師曰く、あちこちを回って同じ彫り物を見せたけれど、虎が死んでいると評したのは自分の師匠についで二人目だとのこと。ここまで宿屋の主人の「目」の卓越性が語られる。

そこから話が自然に進むかと思うと、実はこの話、何度かねじれる。

最初のねじれは宿屋の主人と彫物師の仕事への向き合い方。彫物師が酒を飲んで仕事にかかるのを、躊躇いつつも認めてしまう。プロである彫物師に対する敬意と見えなくもないけれど、「目利きぶり」と相反するとも言えそう。

まあそれは細かい話。二度目に持っていくものが前作よりも明らかに優れていると太鼓判を押したのに殿様に買ってもらえないというのもまあ納得できる。

しかしすごく不思議に思うのは、結局買ってもらえた彫り物を、この卓越した目を持つ主人が見て全く評価できなかったところ。それまでの作品よりもまずく、とても買ってはもらえないと判断してしまったところだ。

結局この作品、手に持てば手が水に濡れ、紙の上におけば滝の飛沫で髪が濡れるといった逸品。「素人の浅はかさ」と言えばそれまでだけれど、すると「師匠についで二番目」に正しく虎を評価したという目利き話がちょっと納得し難くなってしまうように思う。

同じようなネジレは「抜け雀」でも語られることがある。手持ちの志ん朝版では紙に書いた「雀」は、よくみれば確かに雀に見えるとなっている。しかし他の演者では、よくみても雀に見えないというふうに語られることがある。

個人的には「抜け雀」の雀はきちんと雀に見えるべきなんだと思う。そういう思いから言えば、この「宗珉の滝」の彫り物もやはり、宿屋の主人が三度目の作品の中に何らかの魅力を発見してしかるべきだったと思ってしまう。

考えようによっては「噺」を作る上での「小手先」の部分かもしれない。ただそこがひっかかってなかなかこの「宗珉の滝」を繰り返してみようという気にならないでいる。

今のところまだ見つけられてないんだけど、ぜひ他の演者でも聴いてみたい。


落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD]
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(D) (2008-10-01)
売り上げランキング: 11926

落語協会第22回大演芸まつり@国立演芸場

家が近いもんだからあまりにノンビリしていて、付いたら既に前座の入船亭辰じんのまくらが終わってた。演目は「金明竹」。

これ、圧倒されたな。聴いているうちに「もしかしたらもう前座が終わったのか」と思ってしまった。とても前座とは思えない迫力だったんですけど。

  • 入船亭辰じん(前座) 「金明竹」
  • 古今亭駒次 「生徒の作文」
  • 桃月庵白酒 「真田小僧」
  • 春風亭百栄 「トンビの夫婦」
  • 柳家小三治 「道灌」
  • 柳亭市馬 「蒟蒻問答」
  • 仲入り
  • 口上 白酒・市馬・小三治・金馬
  • 林家正楽 「相合傘」「カーネーション」「パンダ」「田植え」「観覧車」「鯉のぼり」
  • 柳家三三 「『錦木検校」

「面白そうなイベントだな」と思いつつも「平日だし予約するまでもあるまい」なんて考えてた。当日になって心配し、午前中にでかけると「キャンセルチケットが数枚ありますよ」という話。そこで改めて顔ぶれを見ると、こりゃ豪華じゃんね。当日券が買えてラッキーだった。

engei-matsuri.jpg

古今亭駒次はいつものように新作。いきなり電車の話じゃなくて、後出しで電車が出てくる内容^^。あまり電車のことがわからないぼくとしては今日の噺の方が楽しめたな。もっとも新作を聴く耳はまだあまりもってないみたいではあるけれど。

桃月庵白酒の「真田小僧」。何度も「この噺は好きじゃない」と言ってるけれど、豊富なくすぐりに大笑いさせてもらった。聞きなれないクスグリが出てくると、たいてい「余計なものを…」なんて感じてしまうんだけど、噺にぴったり乗っかっている感じがすごく面白かった。ただ最後はちょっと時間に追われたのかな。決め台詞がしっかり決まってない印象もあった。

「道灌」は「え、小三治が道灌?」なんて思ったんだけど、後に出た市馬も「小三治師匠の、しかも途中までの『道灌』が聴けるなんて、みなさん貴重な体験をしましたね」なんて言っていた。

その柳亭市馬は「蒟蒻問答」。これ以前市馬が出演するテレビで見たんだったかな。DVDは春風亭柳橋のものを持っていて、DVDで見た時から好きな噺。

柳家三三とは妙な縁があるらしく、ちょっと気にしている噺家。とは言っても超人気の噺家らしく、実際に観るのは今日が二度目。前にみたときは「たらちね」だった。「錦木検校」(三味線栗毛)は菊之丞のCDを持ってるけれど、サゲが異なるものだった。金魚屋の声が素晴らしかった。そこだけ聴いても驚けるってのは、なんだかびっくりだな。

落語を聞き始めて短い期間ながら、今日のもベスト5に入るような寄席だった。面白かったな。

落語協会第22回大演芸まつり@こぼればなし編

書いたようにすごく楽しい寄席だった。出かけて本当に満足。

で、こぼればなし編。

国立演芸場ってね、たいてい全席指定。今日は左隣が二つ続けて開いている状態。ただ、仲入り後に別の席の人が座りに来た。

ま、仲入りになってもこないならたぶんもう来ない。席の状況によっては他の席に移りたくなる人もいることだろう。

street fart

しか~し。今日移ってきた人。ずっと身体を揺らしててうるさい。前の席の人も振り返ってみるくらいに身体を揺すり続ける。「アンラッキーだなあ」と思ってたんだけど、アンラッキーはそれだけじゃあなかったよ。

そのおいちゃん。なんと紙切りの最中に屁こいたんだよね…。これはまいった。もう少しで係の人に「あのひと別の席だから移ってもらって!」とチクリに行きそうになった。すげークサイ屁だったし。

気持ち良い席に移るのは良いけれど、自分の正当な席意外に移るんだから、もうちょっといろんな意味で遠慮して欲しかったなあ。

Concert Crowd (Osheaga 2009) - 30000 waiting for Coldplay

あとは帰るとき。国立演芸場のせいもあるな。帰りの導線の途中に今日の演目を書いたボードを掲示してた。

当然写真を撮る人がでる。普通の人なら帰る人の邪魔にならないよう、遠慮して撮るんだろうけど、集団になっちゃうと普通の人率は大いに低下する。「私が写真撮ってんのよ!」と肘を突き出すオネーチャン、オバチャン連で通路は大混乱。

自分が写真撮りたいんじゃん? で、そのために通行の邪魔をするんじゃん? であれば、みんなが通りすぎてから撮ろうとか、そういう発想にならないのが不思議。時間はまだ午後4時。帰宅に不安を感じる時間でもないんだしなあ。

演目の掲示場所はぜひとも改めてもらいたいな>国立演芸場。

で、ちょっとイヤな気持ちも抱えつつ帰りそうになったとき、復興支援の募金箱が目についた。いや実は。復興支援寄席だのなんだので、個人的に分不相応なくらい募金しちゃった。今日は実は下を向いて帰ろうと思ってた(スミマセン)。

ところがそこに見慣れた姿。なんと正楽師匠だ。正楽師匠の復興支援寄席で見せてくれた紙切りは最高だったんだよな。そんな人を見かけちゃあしょうがない。財布を取り出してまた少額ながら募金箱に入れた。すると正楽師匠。「いつもありがとうございます」と!

どえええ! ちょっと感じていた嫌な気持ちも全くふっとんださ。「いつも」ってことは「ちょっと見かける奴だな」くらいには思ってくれたんだよねえ。人を見て募金する自分の嫌らしさを感じたりもしたけどさ、それもまたアリだよなあと強引に納得して、とにかくうれしい気持ちだけ感じることにしましたとさ(^^)。

寄席はとっても楽しかった。そんな中でちょっとだけイヤなことがあった。でも林家正楽師匠がそんな嫌な気持ちを吹き飛ばしてくれましたとさ。

ども、ありがとうございました。

2011年05月07日

ぼくは柳家はん治が大好きだ(浅草演芸ホール2011/05/08)

浅草に行ってきた。観光じゃなくて、もちろん浅草演芸ホール。

目当ては市馬、三三、はん治。加えて代演(?)でさん喬が出てきた。

  • 林家つる子 「寿下無」
  • 柳家ろべえ 「たけのこ」
  • 柳亭市馬 「親子酒
  • 柳家禽太夫 「元犬」
  • 柳家さん吉 漫談
  • 柳家〆治 「看板のピン」
  • 入船亭扇橋 漫談
  • 柳家小満ん 「出来心」
  • 柳家三三 「骨皮」(金明竹)
  • 柳家はん治 「粗忽長屋」
  • 柳家小里ん 「お化け長屋」
  • 柳家さん喬 「徳ちゃん」
  • 林家正楽 相合傘・母の日・徳ちゃん・藤娘
  • 柳家小三治 「湯屋番」

ろべえの「たけのこ」は活字でしか見たことがなかった。面白かったな。話しぶりも良かったと思う。目当てのひとり柳亭市馬は「親子酒」。こちらはCDで志ん生版と枝雀版を持っている。枝雀版はいろいろと盛り込んでいてかなり楽しめる。

枝雀落語大全(29)
枝雀落語大全(29)
posted with amazlet at 11.05.08
桂枝雀
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) (2000-12-13)
売り上げランキング: 142812

今日の「親子酒」はとくに前半の奥さんとのやりとりが面白かった。得意の歌も長めに入れ込まれていて満足感の高い内容だった。

柳家禽太夫という人は初めて見たかと思う。「元犬」はわりと好きな話。人によっても演じようはいろいろあるみたいだけど、やっぱり志ん朝版が大好き。

今日の「元犬」も面白かった。ただ最後の「モトはいぬか?」(モトはいないか?)の発音が、「元は犬か」になっていたのが個人的には残念。ここは元犬の誤解だという線で良いと思うんだよな。そういえば「ただシロ」というところで、主人側が考えてから「ああ、タダシロウか」というのも違和感を感じた。ま、細かい話なんだけど。

これまた目的だった柳家三三。「パンダはなんでふたつ重ねた名前にしたがるんでしょう。ま、私の言うことじゃありませんが」。不覚にも大笑い。噺は「骨皮」。昨日は国立劇場で一緒に出演した入船亭辰じんが「金明竹」(素晴らしいでき)。これに対抗して「金明竹」なのかと思ったけど一捻りあったな。

主人と松公との話で、「貸猫がいたんですがねと断りました」「なんだその貸猫って?」という発言の間が最高だった。あと主人の顔を貸して欲しいと言われたときの断り方が一般的なパターンなのかどうか。ぼくの記憶とはちょっと違っていた。うまいやり方だなと思った。

そしてもう一人お目当てだった柳家はん治。この人は何を話しても「ああ、はん治にぴったり!」と思ってしまうんだよな。なんだろう。話がしっかしりしているのは当たり前なんだけど、それだけじゃない。世界を作るのがすごく上手なんだ。

そして今日の出し物は「粗忽長屋」。始まってすぐに「ああ、はん治の『粗忽長屋』なら最高だ!」と思った。そして思ったとおりのでき。この人はぜひ独演会に行きたい。

大トリは小三治。実はこの人をあまり聴いたことがないんだけど、「芝浜」で泣いたことがある(CD)。

落語名人会(42)芝浜
落語名人会(42)芝浜
posted with amazlet at 11.05.08
柳家小三治
ソニーレコード (1996-08-21)
売り上げランキング: 55366

ある本屋で買ったCDなんだけど、そこの親父に「良かった。泣いちゃったよ」と伝えた。するとその親父。自分でもCDを買って聴いてみたそうだ。そして良かったもんだから、さらに自分の店で売っているDVDを買って見たんだそうだ(笑)。

落語研究会 柳家小三治全集 [DVD]
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(D) (2007-09-26)
売り上げランキング: 3581

実は昨日も小三治を見たんだけど、演目はなんと「道灌」。今日の出し物は「湯屋番」。

どうも「芝浜」で先入観を持ってたみたいだ。クスグリを随所に入れたすごく楽しい「湯屋番」だった。この人、もともとは菊之丞みたいな人だったのかもしれないと思った。若い頃のCDなども聴いてみようと思う。

2011年05月08日

権太楼話爆笑十夜@鈴本演芸場 第八夜

落語ってわけじゃないけど、なんと三日連続で林家正楽師匠を追いかけることになった(笑)。鈴本演芸場で偶然すれ違った。

「あ、おはようございます!」「どーも、連日ご苦労様でございます」「いつも楽しみに拝見しています」「いえいえ、ゴメンなさーい」。

正楽師匠とたくさんお話できました^^。

  • 柳家甚語楼 「猫と金魚」
  • 三遊亭歌武蔵 「無精床」
  • 林家正楽 相合傘・パンダ・ドラえもん・鯉のぼり・藤娘・ガンバレ東北
  • 柳家花緑 「権助提灯」
  • 柳家喜多八 「代書屋」
  • (仲入り)
  • 橘家文左衛門 「寄合酒」
  • 柳家権太楼 「抜け雀」

「代書屋」を生で聴いたのは初めてだな。枝雀のDVD(ポン)版とCD(がたろう)版を何十回も見聞きしてる(今日は速記本も買った)。

速記本を買ったからといって、もちろんぼくは落語をしゃべりはしない。なんか教えてくれる教室があるみたいだけど、そこまでは絶対にやらない。落語を始めるときに立てた3つの誓いがあるんだ。凝り性なんで誓を立てておかないと大変なことになる。

  1. 出囃子を聴いただけで噺家の名前を当てたりしない
  2. 落語家のCDを全部揃えたりしない
  3. 落語を自分でしゃべったりしない

えっと。今のところ、5人くらいは噺家の名前を聴いて出囃子が頭の中で鳴るようになった…。で、志ん朝のCDは着々と揃いつつある…。

だから(?)ぼくは決して自分で落語を話したりしない。

トリの権太楼、本日の演目は「抜け雀」。これ、好きな話なんだよな~。CDは志ん生、白酒、DVDは志ん朝のが2つ手元にある。寄席でも今日を含めて3度聴いたのかな。

ところで志ん朝のDVD、若い方では勘当になった理由を「絵の稽古をしなかった」としている。後年の版では「心得違いをしていた」ためとしている。ぼくはこの「心得違い」という言い回しがすごく好きだ。

手元の志ん生版には勘当された理由についての言及はない。白酒版では「絵の修業をしなかった」ためとなっている。そして今日の権太楼版も同じく「修行をしなかった」。

絵は上手だけど勘当されたと言う方がドラマチックだと思うんだよね。で、そのためには「心得違い」と言いたいんだよな。

ところでこの権太楼版、銀紙の下りも何度も出てくるし、墨もすらされる。勘当理由について以外はまるっきり好みの仕立てだった。権太楼オリジナルとしては「いじめられ慣れた亭主」の味をすごく前面に出してたな(誰もが予想する通りだと思う^^)。


志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを り「品川心中」「抜け雀」
古今亭志ん朝
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル (2002-08-21)
売り上げランキング: 62714

2011年05月09日

志ん生を聴けるようになってきた…

2月くらいから落語に興味を持って、CDをいくつか買った。ちょっとして寄席などにも出かけるようになった。

最初に買ったCDは確か志ん朝が何枚かと志ん生(書店の趣味)。で、志ん朝はすぐに面白く聴けるようになったんだけど(これについてはまた書く予定)、しばらく志ん生を聴くことができなかった。いわゆる「ぞろっぺえ」な志ん生の口調についていけなかった次第。

「志ん朝のようにはっきりした落語じゃないと聞けないのかな」とか、「志ん朝を良いなと思うのは単に聴きやすいからなのかな」とかいろいろと考えた(くどいけどこれについてはまた書く)。

それが次第に八代目文楽を聴けるようになり、そして次第に志ん生を聴くことができるようになってきた。「聴くことができる」というと「耐え忍んでいる」感じがしてしまうけど、そうじゃなくて「面白く」聴くことができるようになってきた。

新しい人を聴くといつも何かしらお勉強になる。だから聴いて面白い人が増えていくのはすごく嬉しい。

本日購入は志ん生5枚 #rakugo
本日購入は志ん生5枚 #rakugo posted by (C)torisan

と、いうわけで本屋のおやじが見ていた志ん生のCDリストをひったくってチェックをつけた。それが本日入荷していたので買ってきた。

最初は「人情話」が食わず嫌いだったんだけど、志ん朝の「浜野規矩」を聴いて泣いたりした。その話なども志ん生で聴いてみたいなと思ったわけ。「子別れ」も「下」しか聴いたことがないし。「大工調べ」の啖呵が志ん生版でどうなっているのかにも興味津々。本屋のおっちゃんが絶賛していた「大津絵」も楽しみだし。

でもあれだな。志ん生なんかをCDで揃えようなんて思ってしまったら「終わり」かもしれないな^^。

ちなみに5月9日現在、持っている落語CDの枚数は85枚だそうだ。そのうちに保管場所などで悩むようになるんだろうな。

古今亭志ん生 名演大全集 1 火焔太鼓/黄金餅/後生うなぎ/どどいつ、小唄
古今亭志ん生(五代目)
ポニーキャニオン (2005-10-19)
売り上げランキング: 43858

2011年05月10日

やけに立派な箱に入ってきた志ん朝速記本

思うところあって、枝雀の速記本1冊と、それから志ん朝の速記本セットを買ってみた。

届いたのにちょっとびっくりしたな。立派な箱に入ってきた。実はぼくは「断裁マニア」(?)で、これまでに2,000冊ほどを断裁してiPadやPCで読めるようにしている。検索もできるので落語スタディにもとっても役立つ。

立派な箱に入ってきた『志ん朝の落語』
立派な箱に入ってきた『志ん朝の落語』 posted by (C)torisan

ただ、断裁するにはルールがあって、それは「箱入り本は断裁しない」というもの。む~ん。速記本も断裁すると便利そうなんだけど、どうしたもんかなあ。

志ん朝の落語〈1〉男と女 (ちくま文庫)
古今亭 志ん朝
筑摩書房
売り上げランキング: 294110

2011年05月12日

2月~5月に購入した落語関連アイテム

2月から落語のおべんきょ開始。最初のうちは知らないことばかりで、どうしてもおべんきょ投資がかかりますな。

これまでに買った落語DVDはこんな感じ。ま、「タイガー&ドラゴン」が落語DVDなのかどうかわかんないけどね。最終回だけは好き。テレビでやっていた時代は全く知らなかった…。

とりあえずブクログに登録しているDVDは30セットだそうだ。

CDも結構たまってきた。ブクログに登録しているのは69枚だとのこと(ブクログで探せなくて登録してないのもある)。

まあもちろん本が一番多いんだとは思う。

あと数ヵ月もすると、きっと多少なりとも落ち着きが出てくるんだと、、、思う^^。

相変わらずぼくのバイブルは志ん朝DVDの上下(^^)。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 上 [DVD]
ソニー・ミュージックダイレクト (2008-03-26)
売り上げランキング: 4445

2011年05月13日

落語会に行った回数は…?

落語本、CD、DVDの数をチェックしてたら、あたりまえだけど寄席などの落語会に行った回数も気になってきた。

贅沢な池袋演芸場 #rakugo
贅沢な池袋演芸場 #rakugo posted by (C)torisan

と、いうわけで「落語会」というタグで管理することにした。どうやら2月・3月・4月と5月の途中までで30回弱の落語会に行っているみたい。

3月に自粛などがあったわりには結構行ってるかな。

ってか、本はともかく、CD/DVDの枚数や寄席の回数にはちょっと自分で驚いた。金額に換算すると、なんてことは考えない方が良い、きっと。

落語世界に引き込まれてしまう『志ん生的、文楽的』(平岡正明)

芸能関係の本は読んでいないけれど、『あらゆる犯罪は革命的である』などはずいぶん昔に読んだ。そして結局『犯罪学』などに手を染めたのは昔の話。もちろん筒井康隆関係の著作も読んだ。

中森明菜 歌謡曲の終幕
平岡 正明
作品社
売り上げランキング: 476496


その平岡正明に落語論があることは全く知らなかった。落語自体に興味がなかったせいで、「落語」というタームの入っているものはほとんど意識から抜け落ち続けていたのだなあと、最近になって思う。

著者の名前にひかれて「何かの参考に」と軽い気持ちで買った本。これが最高に面白かった。タイトルは『志ん生的、文楽的』。

志ん生的、文楽的 (講談社文庫)
平岡 正明
講談社
売り上げランキング: 381105

実のところ、落語に興味を持ち始めてると言っても、志ん生や文楽の良さがわかってきたのはつい最近。志ん朝から落語に入ってきたぼくは、録音の質からしてもなかなか両巨頭に耳が馴染まなかったし、また志ん生については志ん朝と対極にあるかのような話し方にも馴染めなかった。

そんな中でもなんとかかんとか文楽の面白さを感じ始めていた頃に読んだ本。この本で徹底的にマクられてしまった。本を読むうちに志ん生や文楽に対する興味が強くなり、さらに読んでいる最中から志ん生や文楽が面白く感じられるようになった。

なんてお得な本なんだ…

ただ普通に最初から読むと「免疫」のない人はいやになっちゃうかもしれない。

「ダウンビート」は十日からだ。手もちぶさただな。落語を聞きに行こう。原チャリでトコトコ、不景気な七草の町を走って、野毛坂に着いて、テレッレ、テレッレ、ドンドン、下足札もらって、一晩トロッキーを読むと俺は革命家の顔になり、二晩ジャズを聴くと黒人みたいな顔になり、三本座頭市のビデオを見ると人を斬りたくなるから、したがって正月中は俺がその三つのうちのどれかの顔をしているのだが、年末から落語論を書いているので、この原稿だけどざ、もうすっかり落語家の顔になって下足番号の席について、ヘッドフォンを頭にかむると、テレッレ、ドンドン、寄席囃子が鳴ったあとに、エー、いっぱいのおはこび、御礼申し上げます。

よく読まないと、そこらのハイなフリをするだけの文章と同じに感じられてしまうかもしれない。よく読めばこころ乗り越えるのも難しくないけれど、しょっぱなから苦労をするのが嫌だという人は後ろから読むと良いんじゃないかと思う。

最終章は「志ん生『らくだ』と老舎『駱駝祥子』」。『駱駝祥子』がわからなくても(本文の中に解説がある)、「らくだ」解説として存分に楽しめる。

古今亭志ん生 名演大全集 3 らくだ/強情灸/親子酒/宿屋の富
古今亭志ん生(五代目)
ポニーキャニオン (2005-10-19)
売り上げランキング: 29348
久蔵が、カンカンノウを踊らせるためにらくだの死骸を生傷男に背負わされたときから久蔵に変化が生じている。酒を飲んで変る以前に、死骸を背負って彼は変りはじめている。死者にカンカンノウを踊らせるのが面白くなりはじめているのだ。

「らくだ」は幼児性をもつ馬鹿で、傷男は本職のヤクザであると解説する。そして、それらのはるか上をいくのが屑屋であるという解説は読んでいてとても面白い。

メインに扱うのはあくまで「落語」ながら、さまざまな噺を紹介しつつ平岡正明のすべてが記されている。噺家についても志ん生と文楽を比較するだけでなく、古今さまざまの噺家との比較も出てくる。

「水に落ちた幇間はぶちのめすべし」という章では志ん生と文楽の「鰻の幇間」を徹底的に比較する。そこから「文楽の『つるつる』」、「志ん生の『つるつる』」につながる幇間論は「平岡正明が入りすぎている」と思わせるところもありながら、読んでいて非常な迫力を感じる。

噺家が用いた「言葉」や「リズム」に興味を持って落語を読む人が大いに楽しめるのは間違いない。

ところでうちには文楽の「つるつる」(DVD)はあるものの、志ん生の「つるつる」はない。代わりにあったのが立川談志。前にも書いたように、ぼくは談志がよくわからない。

「つるつる」についての文章の中で平岡正明は次のように言っている。

一八は相手の口をふさいで言う。「あたしあ、あなたが、憎いよ」憎い、という一八の言は、憎いね大将、という幇間のョイショではない。一八は切ない。

あるいは「桂文楽は幇間一八が自分をコントロールできなくなっていることを、コントロールしているのである」というようなことも書いている。

談志と比較してみると、確かに談志の演じる一八には軽みがあり、文楽の演じる一八とは全く異なる。談志はそもそもわからないので優劣は論じないけれど、「文楽の意図」がより際立って見える。そしてこの『志ん生的、文楽的』が一層面白くなる。

読み進めるうちどうしても落語が聴きたくなり、そして落語を聴けば本書を開きたくなる。あるいは読了までに相当な時間がかかってしまうこともあるかもしれない。

談志の落語 六 (静山社文庫)
立川 談志
静山社
売り上げランキング: 47602

P.S. 談志の「つるつる」(DVD)は悪くなかった。彼独自の「くすぐり」は、あまり面白いとも思わないんだけれども(彼のものに関わらず、「独自」のくすぐりはつまらない確率が高いように思ってる。でもよく出てくる噺から離れた自己主張もなく、見やすい噺だった。

また、気づいたこと1つ。談志はどうやら上下を他の噺家とは違って演じているのかな。見る人の視点による上下転換を行ってるのかもしれない。興味深いとは思うものの、従来の技法と離れた上下展開が効果的とまでは思わないけれど。

もちろんこの「つるつる」からの印象なので、変わった上下展開など全く狙ってはいないのかもしれない。

2011年05月14日

志ん朝の「ギョケェェェ」が好きだ

1番好きってわけじゃないんだけど。何度聴いても面白い。「ギョケェェェっ」は最高じゃないか。

気に入って連れともなんども「ギョケェェェっ」なんてふざけていたのに、忘却能力に優れた連れ、2日ほど間を開けたらすっかり忘れ果てていた(涙)。

落語名人会(27)
落語名人会(27)
posted with amazlet at 11.05.14
古今亭志ん朝
ソニーレコード (1995-11-22)
売り上げランキング: 99580

『落語を聴くなら古今亭志ん朝を聴こう』の中で、林家たい平も志ん朝の「御慶」について触れている。

ちなみにこの林家たい平も小さん、枝雀、米朝を聴いていくうちに「寄席に行ってみよう」という気になってきたと言ってる。演者の流れ的にもちょっと近しい感じがするな。

その中で決定的に「この師匠はスゴイ」って思ったのは、大学四年の時に、お正月のラ ジオで聴いた『御慶』!
「舞台を広く見せなさい。空聞を広く見せるために目の前と話すんじゃなくて、もうちょっ と向こうに声を飛ばしてあげることによって、空間に広がりができるんだ」と言われたそうですが、のり平先生に学んだことが志ん朝師匠の『御慶』には凝縮されている。
落語を聴いて初めて鳥肌が立ったりが、志ん朝師匠の『御慶』でした。

林家たい平は、この「御慶」の中で描かれる風景について主に述べている。それは確かに間違いない。江戸の風景の描き方という点ではトップクラスに入る落語だと思う。

ただ、ぼくの場合はまず驚いたのが多様な登場人物それぞれの「人の良さ」。たとえば夫婦。お決まりのように夫婦喧嘩で幕を開け、奥さんの方は「もう別れよう」という話をする。それが帰ってきた旦那が富くじにあたった興奮から土間に座り込んでしまったときに、「まあこっちにお上がりよ」とやさしく声をかける。

そのやりとりをきくだけで、奥さんの人間性やら、これまでの苦労なんかがわかる。さらにはその奥さんが「お上がりよ」と言う夫の方も根っ子のところでは悪い奴じゃないんだなということが示される。

実はこの「お上がり」の台詞が出るまでは、この旦那が「身勝手な」「鼻持ちならない奴」なのかなという雰囲気もある。しかしこの奥さんの台詞で「ああ、そうだったのか!」と聞き手に安心感をもたらす働きがある。そしてそういう男が富くじにあたったことを一緒に喜ぶ気持ちとなり、それから後半の「ギョケェェェっ」に繋がっていくという仕組み。

話自体すごく面白いし、そして組み立ても素晴らしいな。

『落語CD&DVD名盤案内』(矢野誠一)によると「五代目柳家小さんの十八番であった」とのことらしい。まだ志ん朝版でしか聴いたことがなく、ぜひとも小さん版を聴いてみようと思う。


昭和の名人~古典落語名演集 五代目柳家小さん 六
柳家小さん(五代目)
キングレコード (2009-03-11)
売り上げランキング: 142734

2011年05月21日

5月20日 国立演芸場 千穐楽

国立演芸場、トリが志ん輔でたまたま千穐楽の日があいている。これは行くでしょうというわけで行ってきた。

開口一番がいきなり「堀の内」(林家はな平)で驚いた。

国立演芸場、演目 #rakugo
国立演芸場、演目 #rakugo posted by (C)torisan

  • 林家はな平 「堀の内」
  • 古今亭志ん八 「熊の皮」
  • 春風亭百栄 「浮世床」
  • 柳亭左龍 「片棒」
  • 桂文生 「蒟蒻問答」
  • 仲入り
  • 橘家圓太郎 「親子酒」
  • 古今亭志ん輔 「小言幸兵衛」

「熊の皮」は「尻の下に敷く」で奥さんを思い出すお上品(?)バージョン。「片棒」は短縮版。この話の短縮版というのは初めて耳にした。

「蒟蒻問答」はお経を「寿下無」でやっていた。多く耳にしているのは「いろはにほへと」でやるもの。個人的には「寿下無」版の方が面白い。ただあまり他の落語を噺の中にもちこまないという決め事があるかなあ? 「ここであの噺をミックスしたら笑えるな」というシーンでも滅多にそういうことはしない。何か決め事があるのかもしれないなと思っているところ。今日の「寿下無」は嫌味なく入れ込んでいて、この程度なら面白さの範疇だと思う。

本日一番気に入ったのは「親子酒」。女房に色気があって愛を感じた。良い存在感だった。

オオトリの志ん輔は風邪気味だったとのこと。そのせいかどうか、どうも前半、鼻がうまくつかえなくて言葉がずるずると出てくる感じ。一層声を使う後半は普段どおり素晴らしいトーンだったので、あるいはぼくの勘違いかもしれない。

実は3月20日に行った末広亭千穐楽がすごく良い気合で楽しかった。それで「千穐楽ってのは一層気合が入るのか?」と考えて行ってみたというのもある。

ただ今回はそれほどの気合は感じられなかったな。こちらの体調も良くなかったので、そのせいもあるのかもしれない。

仲入りに売店に行くと志ん輔&正楽の復興支援ポストカードがあったので買ってきた。
志ん輔&正楽、復興支援ポストカード
志ん輔&正楽、復興支援ポストカード posted by (C)torisan

売り上げは日本赤十字を通じて寄付に回すのだとのこと。印刷代は志ん輔の持ち出しらしいです^^。

落語名人会(28)
落語名人会(28)
posted with amazlet at 11.05.21
古今亭志ん朝
ソニーレコード (1995-11-22)
売り上げランキング: 79375

2011年05月22日

柳家一琴 蔵出しの会 2011/5/21

まだまだ落語についての情報収集能力が足りないな。ツイッターでの発言をみるまで、この会の情報は入ってなかった。

「大工調べ」をやるってことで参戦。

らくごカフェ高座
らくごカフェ高座 posted by (C)torisan

  • 芋俵
  • そば清
  • 大工調べ

「芋俵」は生できくのは初めて。芋を探るシーンで、さつまいもの他にジャガイモもあるよ、って話はなかった。下品すぎて笑って良いものかどうか悩むから、ないのはありだよな。

入る店は「木綿問屋」。ぼくの記憶にのこっている版は「質屋」だった。「三人いなくちゃだめ」のやりとりは、兄貴がうっかりしていたのではなく、兄貴が知っていて話をするバージョン。なるほど、知っていて話をするのもありか。芋になるのは与太ではなくて、ちゃんと名前のある若いもん。確かに与太に芋役をまかせるということになると違和感もある。

芋俵を店の中に入れるときに、店のモノが「あとで因縁をつけられてもいやだ」と話す。芋俵を持っていた連中が初めから胡散臭い奴だと睨んでおり、それならばこちらの方が自然だな。記憶に残っている版では、店の人がもっと純粋な親切でしまっておいたように思う。

「大工調べ」。こちらは与太郎が「馬鹿じゃない」のにちょっと驚いた。ちょっと鈍いやつには違いないんだけど、話はそれなりに通じる奴なんだよな。そういえばぼくは志ん朝と志ん生でしか「大工調べ」を知らない。他家の「大工調べ」をちょっと勉強してみたいな。

あと、与太郎が金を持ってきたとき、大家が「差し金」の存在を認識するというのも志ん生版・志ん朝版にはない展開。その展開がどのように影響するのかにはすごく興味を持った。棟梁の訪問時にずいぶん違った噺が展開されるのかと思ったけれど、それはそうでもなかったみたい。またCDなどで比べてみたいところ。

そもそも落語を聞き始めたとき、「大工調べ」はあまり好きな話じゃなかった。好きな話と格上げしたのは1ヵ月ほど前だったかな。

こうして「気になる噺」が増えていくのはすごく嬉しいし、そしてまたいろいろと聴いてみたくきっかけがもらえるのも嬉しいこと。


落語名人会(33)大工調べ
柳家小三治
ソニーレコード (1996-06-21)
売り上げランキング: 132072

2011年05月23日

客とケンカする談志をおさめた「やかん」

「二階ぞめき」という噺は面白そうで、いくつかCDを入手してみた。

ちょっとこちらの「二階ぞめき」は途中で止めてしまってまだ聴き終えてないんだけど、もうひとつ収録されている「やかん」には客との喧嘩が収められてる(笑)。

客との喧嘩の中で言った談志の言葉。「志ん朝のファンは落語ファンだが、俺のファンは俺のファン。古典をやれなんて馬鹿なやつはいない」。

煽り文句ではあるけれど、真実を付いているところはあるかもしれないな。

談志のCDやDVDも結構ふえてきた。ただまだよくわかんない。

立川談志プレミアム・ベスト 落語CD集「二階ぞめき」「やかん」
立川談志
コロムビアミュージックエンタテインメント (2008-09-24)
売り上げランキング: 244165

2011年05月24日

弟子から見た師匠話はすごく面白い

『落語大看板列伝』。ちょっと前に買った本なんだけど、しばらく放置してた。だけど最初の章にある桂枝雀の話が最高に面白かった。

裸は失礼なのでネクタイを via 落語大看板列伝
裸は失礼なのでネクタイを via 落語大看板列伝 posted by (C)torisan

  • 弟子が語る桂枝雀(桂南光、桂雀三郎)
  • 枝雀一門座談会(桂雀松、桂雀々、桂九雀、桂文我、桂む雀、桂紅雀)
  • 枝雀からの枝分かれ(高田文夫)
  • お稽古のお稽古(小佐田定雄)
  • 役者としての枝雀
  • 枝雀がおってくれたらなあと始終思いますわ(桂米朝)
  • 経歴
  • DVD CD紹介
  • 色紙 萬事機嫌よく 画・桂枝雀

枝雀の話題満載なんだけど、とくに弟子たち、それから師匠の話が最高に面白かった。電車の中で読みながら本気で声をあげて笑ったり、そしてちょっと涙腺に刺激をうけたりした。

落語 大看板列伝
落語 大看板列伝
posted with amazlet at 11.05.24
落語ファン倶楽部
白夜書房
売り上げランキング: 337011

枝雀の弟子と言えば、枝雀のDVDにも弟子による作品ないし師匠解説が入ってる。これもいつも見ていて涙腺を刺激されたりする。

桂 枝雀 落語大全 第一集 [DVD]
EMIミュージック・ジャパン (2002-04-11)
売り上げランキング: 4878


他に取り上げられている噺家は桂文治、春風亭柳昇、金原亭馬生、柳家小さん。こちらが無知のせいで桂文治、春風亭柳昇の話はよくわからなかった。ただ金原亭馬生の部分にちりばめられた写真が良かったなあ。

池波志乃と馬生 via 落語大看板列伝
池波志乃と馬生 via 落語大看板列伝 posted by (C)torisan

柳家小さんの話は柳家花緑が全くわからないせいもあって、あまり気持ちは入らなかった。

弟子が語る師匠と言えば、文春文庫の『よってたかって古今亭志ん朝』も面白かった。志ん輔の『師匠は針、弟子は糸』も同じような師匠話を期待していたんだけど、こちらはそういう内容ではなかった。

よってたかって古今亭志ん朝 (文春文庫)
志ん朝一門
文藝春秋
売り上げランキング: 234679

2011年05月26日

六代目三遊亭圓生の「火事息子」はいいなあ

「古典落語名作選 其の五」というものを買った。

  • 三遊亭圓生 「火事息子」
  • 雷門助六 「長短」
  • 春風亭柳朝 「宿屋の仇討」
  • 三笑亭夢楽 「反魂香」

まだひととおり見ただけでどれも楽しめるんだけど、とくに印象に残ったのは圓生の「火事息子」。

ensho-kajimusuko.jpg

放送は昭和53年1月2日。新春番組だからなんだろうけど、前の方にいる髪を結った女性2名の存在がまずいいな。圓生の舞台とぴったりあってる。よく見る「浮いた和装」じゃなくて、しっかり板について見えるんだよな(後ろ姿だけだけど)。

圓生を意識し始めたのは「昭和の名人完結編」の6号に入っていた「文七元結」を聴いてから。志ん生や文楽の時代と現代とを繋ぐ歴史を感じる話しぶりで気に入った。それからCDを集め始めて「錦の袈裟」などの滑稽系も聴いた。

ただ、やっぱり聴くだけじゃあわからないな。今回観た「火事息子」は滑稽なところをぴったりの雰囲気で演じてる。番頭が折れ釘にひっかかるところも最高な動き。「大家」の魅力だけじゃなくて、「滑稽さ」を描く圓生もやはり魅力十分なんだなあ。

息子が臥煙になる伏線もしっかり描いているし、紀伊国屋の二代目が火事見舞いにきて、それをきっかけに息子を思い出すシーンもうまい。また、油断してるとうっかり聞き漏らしそうなサゲの部分もわかりやすく丁寧に演じてる。

ちなみにこのDVD。ざっとひと通り見てみたところでもうひとつ強く印象に残っているのは「宿屋の仇討」。こっちはまだ丁寧に観ていないんだけど、また時間を見つけてしっかり味わってみよう。

古典落語名作選 其の五 [DVD]
NHKエンタープライズ (2002-09-20)
売り上げランキング: 111384

2011年05月30日

幸せな時間 ~ 5月29日の鈴本演芸場に行ってみた

ついこの間、柳家一琴蔵出しの会行ってきた。これは前日になって柳家一琴のツイートで知ったもの。

柳家一琴はらくごカフェで何度も話を聴かせてもらっているものの、まだ寄席でみたことがない。先の蔵出しの会を知らないうちに、「また柳家一琴が聴きたいぞ!」と「東京かわら版」をチェックして、29日の鈴本に行くことを決めていた。

  • 三遊亭歌る美 「真田小僧」
  • 柳家さん弥 「子ほめ」
  • 柳家一琴 「強情灸」
  • 桃月庵白酒 「替り目」
  • 柳家小満ん 「しびん」
  • 橘家文左衛門 「千早振る」
  • 林家正蔵 「四段目」
  • 柳家喜多八 「笠碁」

上出来な日だったなあ。

とくに楽しんだのが「強情灸」、「替り目」、「笠碁」。

「強情灸」は強情者の力の入れどころが、ぼくのフィーリングにぴったりマッチですごく楽しかった。CDは志ん生のものしか持っていない。面白くはあるけれど、そんなに好きな噺ではなかった。ただ今日の「強情灸」を聴いて、もっといろんな演者で聴いてみたくなった。楽しい演じ方だったな。

モグサを盛るシーンなども、失礼ながらちゃんと勉強していて、そこからきちんと笑いを引き出しているのが嬉しい。

「替り目」は最も印象に残っているのは枝雀版。DVDを持っているんだけど、何度観たかなあ。数えきれないほど。落語をひとつ覚えるのならこの噺を覚えて田舎(奄美大島)でやってみたい^^。

桂 枝雀 落語大全 第四集 [DVD]
EMI MUSIC JAPAN (2002-04-11)
売り上げランキング: 4423

で、今日の「替り目」はどうやら五街道雲助版に似ている。家に帰ってCDを聴いてみるとやはりそんな感じ(但し今日の白酒版は短い方のもの)。ネットを検索してみると、白酒は五街道雲助の弟子なんだそうな。そうだったのか。ぜんぜん知らなかった。ちなみに白酒は鶴丸高校出身だって。全国的に有名な高校じゃんね。県でくくるなら同じ鹿児島県人だ(但し奄美大島人はそんなに鹿児島県民という意識はないんだと思う。進学とかで繋がりは強くなるけれど)。

なんというか。五街道雲助版に枝雀版の面白さを足したような感じだったかなあ。白酒味がとてもよく出ていた。「壺算」も面白かったけれど、今日の「替り目」はこれまでの白酒のなかで一番好き。「真田小僧」なんかでも味のある人だけど、子どもが前面に出る噺だと、ちょっと子供っぽさに流れてしまうように思ってしまうんだな(個人的に子供の出てくる噺があまり好きじゃないせいもある)。

「笠碁」は囲碁の噺。志ん生が「俺は碁が打てないからお前は碁を覚えて笠碁ができるようにしろ」って馬生に言ったんだったっけ?

he's very happy igoing

ぼくも碁を打つしかなり好き。ただこの「笠碁」はそんなに好きな噺じゃない。「待った」なんてのは碁打ちのクズだし(笑)、また噺の内容だけ追うと、ジジイの嫌らしさなんてのを感じてしまうからかもしれない。

ところが今日の笠碁。「嫌らしさ」どころか、表現されていたのは「愛」(笑)。良い感じだったなあ。サゲも本来は笑うところと思うんだけど、ついウルっとくるような「愛」^^。

柳家喜多八はこれまで2度しか出会ってない。前回は5月8日の鈴本で、このときは「代書屋」だった。

「代書屋」のときも感じたんだけど、「え?」と思わせつつ独自の世界に引き込む不思議な魅力を持つ人だな。

「しびん」、「千早振る」は、これまで活字でしか知らなかった話。とくに「しびん」は、最近また何かの本で読んで気にしていたところなのでラッキー。

「千早振る」を演じた橘家文左衛門は、かなり「自由」な印象を受ける人。ぼくなんかにはその「自由さ」がまだよくわかんないところがあるんだけど、「千早振る」には合っている感じだった。

ちなみに『落語CD&DVD名盤案内』によると、志ん生は「千早振る」でサゲの「とは」までを演じないことがあったとのこと。それはそれでどんなもんなのか聴いてみたい。CDもあるそうだ。

ところで林家正蔵。ぼくの中では「林家正蔵と言えば『四段目』」って感じになってる。それはそれで良くて、今日も楽しく聞いた。できも良かった。ただ、テレビタレント時代は嫌いだった(てか、番組があまりにくだらなかったんだと思う)林家正蔵の魅力を感じつつある時期だけに、そろそろ違う噺(子供の出てこない噺)も聴きたいんだよな。

本当は林家正蔵がトリをとっている寄席に2回くらい通ってみようと思ってたんだけど、ちょっとスケジュールがあわなかった。だから「四段目」をきいて「しまった!」と思うのはぼくの怠慢のせいなんだけどね。

尚、本当は林家正楽の紙切りもあるものだと思っていた。最近なんか落語会系のスケジュールを見間違えることが多い。半端な知識がついてきた時期ってことかしら。困ったもんだ。

志ん輔&正楽、復興支援ポストカード
志ん輔&正楽、復興支援ポストカード posted by (C)torisan

2011年06月01日

『芝浜謎話』は面白いよ

落語の本をいつも買っている本屋のおじさんに、「こういう本もあるよ」と勧められた。帯に「ミステリ」とあり、この分野は滅多に気に入る本がない。「でもいつもの付き合いだしなあ」と買ってきた。

それが面白かったなあ^^。

芝浜謎噺 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)
愛川 晶
東京創元社
売り上げランキング: 36019

本書には「野ざらし死体遺棄事件」と「芝浜謎話」、そして「試酒試」という3作品が収められている。後の2作品は関連作品なのでまとめて読んで面白い。

ただ最初の作品が面白くなくて、この1作品目を読んだときにはすごく後悔した。ストーリーが面白くない上に、「抜け雀」の「ごふこうのだん」のセリフを「ご不幸の段」と書く最悪な間違いもあって、時間を作って読んでみたことを心から残念に思った。

自分で買った本ならここで読むのをやめたかもしれないけれど、付き合いのある人から勧めてもらったものなので一応最後まで読むことにした。で、後半がすごく面白かった。

小説なので「そりゃねえんじゃねえの」と思わせるところもありながら、実は落語のお勉強になるような部分も随所にある。落語の世界における師弟の話を描いたもので、「ミステリ」となっているもののミステリではない。読み終わりかけたときに涙腺を刺激されてしまったなあ。

まあ師弟愛を描いた作品なんていろいろあるよといってしまえばそれまで。感動仕立てにするのも定番ではある。ただそれが散りばめられた落語話と相まって、落語ファンならしっかり読める作品に仕上がってると思う。

1作目は「え~?」と思ってしまう人が多いと思うので、時間のない人は2作目から読んでみると良いかも。

2011年06月02日

落語で好きな表現

いろいろあるんだけれど、最初に「おお」と思ったのはこれ。

お兄ィさんとお兄ィさんの出来が少しばかり違うんでぇ」。たとえば「大工調べ」に出てくる。「お兄ィさん」が二度出てくるのがいいよね。

落語名人会(21) 古今亭志ん朝(13) 「黄金餅」「大工調べ」
古今亭志ん朝
ソニーレコード (1995-10-21)
売り上げランキング: 94478

たとえば「五人廻し」には「のこのこ引っ込むようなお兄ィさんじゃあねェんでいっ!」という表現がでてくる。どちらかと言えばこちらも好きだけど、わりと「普通」。通常の会話でも「俺はそういう人間じゃあねえ」なんてのは使ったりする。

でも「そういう人間とは人間のできが違う」という繰り返し表現をすることは滅多にない。ってか、落語を聞き始める前なら使うこともなかったろうな(今後はあるかもしれない)。

あと「抜け雀」などに出てくる「ご不孝の段」という表現。こちらは一瞬「不幸の段」という字を当てはめて聞いてしまい意味がわからなくなる。ちょっと考えて「ああ、不孝なのか」と、ある種「考えオチ」風の爽快感もある。

と、この表現が大好きなだけに『芝浜謎噺』にあった「ご不幸の段」という表現があったのは残念だったな。こちらの本では「親不孝」も「親不幸」と表記していた。編集部側のミスということなのかもしれない。

ちなみに『芝浜謎噺』。ちょっと気に入らない短編も入っていたけれど、表題作は面白かった。

芝浜謎噺 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)
愛川 晶
東京創元社
売り上げランキング: 11242

# 言葉の抜き出しはいずれも京須偕充編『志ん朝の落語』より

志ん朝の落語〈1〉男と女 (ちくま文庫)
古今亭 志ん朝
筑摩書房
売り上げランキング: 265764

落語で好きな表現

いろいろあるんだけれど、最初に「おお」と思ったのはこれ。

お兄ィさんとお兄ィさんの出来が少しばかり違うんでぇ」。たとえば「大工調べ」に出てくる。「お兄ィさん」が二度出てくるのがいいよね。

落語名人会(21) 古今亭志ん朝(13) 「黄金餅」「大工調べ」
古今亭志ん朝
ソニーレコード (1995-10-21)
売り上げランキング: 94478

たとえば「五人廻し」には「のこのこ引っ込むようなお兄ィさんじゃあねェんでいっ!」という表現がでてくる。どちらかと言えばこちらも好きだけど、わりと「普通」。通常の会話でも「俺はそういう人間じゃあねえ」なんてのは使ったりする。

でも「そういう人間とは人間のできが違う」という繰り返し表現をすることは滅多にない。ってか、落語を聞き始める前なら使うこともなかったろうな(今後はあるかもしれない)。

あと「抜け雀」などに出てくる「ご不孝の段」という表現。こちらは一瞬「不幸の段」という字を当てはめて聞いてしまい意味がわからなくなる。ちょっと考えて「ああ、不孝なのか」と、ある種「考えオチ」風の爽快感もある。

と、この表現が大好きなだけに『芝浜謎噺』にあった「ご不幸の段」という表現があったのは残念だったな。こちらの本では「親不孝」も「親不幸」と表記していた。編集部側のミスということなのかもしれない。

ちなみに『芝浜謎噺』。ちょっと気に入らない短編も入っていたけれど、表題作は面白かった。

芝浜謎噺 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)
愛川 晶
東京創元社
売り上げランキング: 11242

# 言葉の抜き出しはいずれも京須偕充編『志ん朝の落語』より

志ん朝の落語〈1〉男と女 (ちくま文庫)
古今亭 志ん朝
筑摩書房
売り上げランキング: 265764

2011年06月05日

柳家さん若の「粗忽の釘」が面白かった池袋演芸場

日曜日。夕方から池袋演芸場に行ってきた。てっきり昼夜入れ替えだと思っていたけれど入れ替えなし。「あちゃ~」と思ったものの、昼席を終えて帰る人も多く、問題なく好きな席に座れた。

本日の池袋演芸場 #rakugo
本日の池袋演芸場 #rakugo posted by (C)torisan

  • 柳家おじさん 「子ほめ」
  • 柳家さん若 「粗忽の釘」
  • 柳家喬之進 「寿司屋水滸伝」
  • 柳家甚語楼 「お菊の皿」
  • 桃月庵白酒 「真田小僧」
  • 橘家文左衛門 「ちりとてちん」
  • 柳家喬之助 「金明竹」
  • 柳家三三 「転宅」
  • 柳亭左龍 「甲府い」

柳家さん若という人の「粗忽の釘」が面白かった。釘を壁に打ち込む理由に「巣を張っていた蜘蛛をやっつける」という理由を入れてたな。「蜘蛛をやっつけるってのは他の人もやってる構成ですか?」に「あまりやる人はいませんね」という話だった。

理由がなくても「粗忽だから」とか、「女房がうるさいから腹を立てた」とかいろいろと想像できるところではある。でも明確な理由を入れるのも面白い。釘を打ち込んだ直後に「柱にそんなに長い釘を打ち込んだのかい?」と女房に言わせるあたり、「蜘蛛-壁」の理由付けを強調する意識が見えて面白かった。

で、あとはなんだか楽屋ネタも多い一日だったな。そういうのも「ライブ」感で面白いのかもしれないけれど、個人的にはあまり面白くは感じ無い。

そうそう、面白くないと言えば、ストーリーの中に無理やり現代風のくすぐりをいれるのも好きになれない。まくらなら気にならない。でも、たとえば「死神」の呪文に「アチャラカモクレンラブチュウニュウ」と入れるようなのは全く面白いと思わない(そもそも「ラブチュウニュウ」とかなんとかってのが何かわからないってのもある)。

今日もたとえば桃月庵白酒の「真田小僧」。冒頭の「親孝行」のシーンで「今、首相官邸に無言電話をかけている」なんていうクスグリをいれていた。開場は湧いてたけど、個人的には全く興ざめに感じる。ま、噺家も観客も、そこに面白さを感じるのかなあという納得(諦観?)はある。

あと、すごく残念なのは「金明竹」。大阪商人の言葉の解説部分から独自構成がいろいろと入ってた。「金明竹」はすごく面白い話なので、おふざけもいくらでもありだと解釈されているみたいだ。大阪商人を外国人にして演じるものもあるみたい。でも、ぼくはこれ、改変なしでやった方がはるかに面白いように思う。入船亭辰じんの「金明竹」は良かったな。

三代目 三遊亭金馬 名演集 3 金明竹/薮入り/くしゃみ講釈
三遊亭金馬(三代目)
ポニーキャニオン (2006-04-19)
売り上げランキング: 190950

尚、客席側にも史上最高の核爆弾がいる日だった。他の人が誰も笑わないところで笑ってるのはまあいい。ただ噺家の言葉をリピートして呟くのにはまいったな。何かの病気なのかもしれないけれど、あれが「俺の呟きは落語好きにとっては面白いはず」なんて思っているんなら最悪。前座が出ているときにはあまりに彼のツブヤキが気になって、もう帰ろうかと思ってしまった。

ま、さん若が出てきてみると、彼のツブヤキを圧倒する「話の魅力」があるにはあった(もちろん邪魔は邪魔なんだけど)。変なところで前座と二つ目以降の実力差を感じたりもした一日だった。

白酒がよくまくらで「落語は弱い芸です」ということを言ってるけれど、本当にそう。寄席ってのはどうやら5回に1回くらいは「耐え忍ぶ」回になってしまうようだ。

余談:菊之丞の代演だった橘家文左衛門の入りがぎりぎりになった。二つ目なんかが控え室から出てきて「大丈夫かなあ?」と不安に感じてたな。文左衛門いわく「忘れてました、すみません」。楽屋入り開口一番は「わりい!」だった。

2011年06月06日

落語では聞くけど消えてしまったんじゃないかと思うもの…

たとえば「障子に指で穴をあける」っての、まだあるのかなあ。

奄美の実家は昔、縁側と部屋の敷居が障子戸だった。大掃除の時期にはどわ~っと洗って障子紙を剥がして張替えをしてたな。

で、その大掃除の前(大掃除の前じゃなくてもやったが)、障子によく穴をあけて遊んでいた。指を唾で濡らし、軽くこするようにすると障子紙が徐々に緩んでくる。そしていつしかプッと障子に穴があくんだよな。

あれはなぜか面白かった。

あと、なんだったかな、話は忘れちゃったけど「タバコ屋に道を聞く」ってな風習も廃れているんじゃなかろうか。タバコやってのは道を聞くにも、公衆電話用に小銭を崩してもらうのにも便利な存在だった。

さらに前にもどこかで書いたけれど「軒先を借りる」という風習。今、都心に住んでいるせいってだけかもしれないけれど、こういうシーンを目にしなくなった。

「着物」ってのはまだよく見るけれど、それでも祖父のように一生涯和服しか着なかったなんていう人はもういなくなってるんだろうな。母は趣味で大島紬を織っていたりしたが、奄美に帰ってももうあまり和服を見なくなった。

back house path to the sea

あ、そうそう。奄美のうちの地域では「ツケ」での買い物も普通だった。買い物に行くのにお金はいらない。何か買うと向こうの帳面に買ったものと名前を書いてくれる。会計は月末かなんかにやってたんだろう。「晦日が忙しい」ってのもちょっとわかりにくくなっているのかもしれない。

落語では聞くけど消えてしまったんじゃないかと思うもの…

たとえば「障子に指で穴をあける」っての、まだあるのかなあ。

奄美の実家は昔、縁側と部屋の敷居が障子戸だった。大掃除の時期にはどわ~っと洗って障子紙を剥がして張替えをしてたな。

で、その大掃除の前(大掃除の前じゃなくてもやったが)、障子によく穴をあけて遊んでいた。指を唾で濡らし、軽くこするようにすると障子紙が徐々に緩んでくる。そしていつしかプッと障子に穴があくんだよな。

あれはなぜか面白かった。

あと、なんだったかな、話は忘れちゃったけど「タバコ屋に道を聞く」ってな風習も廃れているんじゃなかろうか。タバコやってのは道を聞くにも、公衆電話用に小銭を崩してもらうのにも便利な存在だった。

さらに前にもどこかで書いたけれど「軒先を借りる」という風習。今、都心に住んでいるせいってだけかもしれないけれど、こういうシーンを目にしなくなった。

「着物」ってのはまだよく見るけれど、それでも祖父のように一生涯和服しか着なかったなんていう人はもういなくなってるんだろうな。母は趣味で大島紬を織っていたりしたが、奄美に帰ってももうあまり和服を見なくなった。

back house path to the sea

あ、そうそう。奄美のうちの地域では「ツケ」での買い物も普通だった。買い物に行くのにお金はいらない。何か買うと向こうの帳面に買ったものと名前を書いてくれる。会計は月末かなんかにやってたんだろう。「晦日が忙しい」ってのもちょっとわかりにくくなっているのかもしれない。

2011年06月07日

とてもひとり語りとは思えない三遊亭金馬

何かのCDで三代目金馬の「金明竹」を聴いた。これ、噺自体がとても面白い(よく改作もされるけれど、オリジナルよりも面白いものを聴いたことがない)のに加えて、金馬の演じ方が面白い。

まず真っ先に思うのが、とてもひとりで語っているとは思えない語り口。あまり声を変えて人間を描き分けるのはよくないとされるみたいだけど、会話のリズムと声色で落語がすごくわかりやすく立体的になる。

「聴きやすい」「面白い」が、果たして「何度も聴きたい」に繋がるのかどうか。今日は「三遊亭金馬セレクト」というCD(2枚組)を買ってきてみた。

とりあえずは「寝床」を聞いてみたんだけど面白かったな。「金明竹」で感じた魅力はそのまま。楽しんで聴くことができました。

<COLEZO!TWIN>落語 三代目 三遊亭金馬 セレクト
三遊亭金馬(三代目)
日本伝統文化振興財団 (2005-12-16)
売り上げランキング: 513918

2011年06月08日

志ん生、志ん朝サイン入りの『貧乏自慢』

馴染みの本屋さんに見せてもらった。かの人は仲人も落語家にしてもらった人で、落語にすごく詳しい。2月に落語に興味を持って以来、そこですごく勉強させてもらってる。

志ん生、志ん朝サイン入り貧乏自慢。他人のだけど #rakugo
志ん生、志ん朝サイン入り貧乏自慢。他人のだけど #rakugo posted by (C)torisan

本が出版された当時、志ん朝が店に来たので「サインを貰えないか」と頼んだんだそうだ。おじさんの語る落語話のすべてに興味をもつぼくなので、わざわざ奥から持ってきて見せてくれた。

いいなあ、これ。

びんぼう自慢 (ちくま文庫)
古今亭 志ん生
筑摩書房
売り上げランキング: 35089

泣く茂造が可愛すぎる via 文楽「寝床」

「茂造、お前はどうだ」と旦那に追求されてなく茂造。CDだとここの部分、面白いだけなんだけどDVDで見るとまた違う。

茂造が可愛すぎる^^。

泣き顔の可愛い文楽-via-「寝床」
泣き顔の可愛い文楽-via-「寝床」 posted by (C)torisan


八代目 桂文楽 下巻 [DVD]
ポニーキャニオン (2009-04-01)
売り上げランキング: 75039

2011年06月12日

江戸時代の「らくだ」

平岡正明の『大落語(下)』を読んだ。上巻の方は平岡正明の「遊び」が入りすぎて、平岡正明と同時代を過ごした人でなければわかりにくい本になっていたかもしれない。しかし下巻の方は話題も落語中心になり、落語好きなら誰もが楽しく読める本になっていると思う。

大落語〈下〉
大落語〈下〉
posted with amazlet at 11.06.12
平岡 正明
法政大学出版局
売り上げランキング: 699648

この『大落語』の中に、岩波から出ている『落語の世界』シリーズについての言及があった。どうやら古本でしかないようだけど、全3巻を早速入手した。

落語の愉しみ (落語の世界 1)

岩波書店
売り上げランキング: 370388

1巻、まずウリは冒頭の桂米朝インタビュー。さらに巻末には柳家小三治インタビューも収録されていてそれだけで面白い(落語を廻る文化を語ろうとする言説は、実はあまり面白いと感じない)。今2巻を読んでいるところだけれど、「名人芸の言語空間 志ん朝と枝雀」という章もある。大いに興味を持って読んだけれど、内容はさほどに感じ入るものではなかった。

どうやらこの『落語の世界』シリーズは、言説を楽しむというよりも、所々に埋め込まれている資料的なものに面白さを感じるものかなと感じている。逆に言えばそこに十分な価値があると思う。

さて、その1巻におさめられていたのが、下の「らくだ」。
『落語の愉しみ』所収「らくだの見世物」
『落語の愉しみ』所収「らくだの見世物」 posted by (C)torisan

もちろんこれは落語の演目である「らくだ」を廻る話の中で出てきたもの。

よくいろいろな本でらくだの「巨大さ」と「のっそりしたところ」、それから「機嫌を損ねたときの乱暴さ」から「らくだ」のあだ名になったのだという解説がある。確かにその言語は正しいんだろう。ただ、らくだってのはわりと「可愛らしい」生き物のような気がしていて、どうも落語の「らくだ」とのギャップを感じてしまったりもした。

でも。この絵はいいなあ。顔が怖い。こいつなら死体を加えてカンカンノウを踊らせることもありそうだ。皮が弛んでいるのか、皮膚の下の筋肉をイメージしているのかわからないが、シワの寄った身体はちょっとアブドーラ・ザ・ブッチャーを思わせる(ちなみにファンク兄弟フォークメッタ刺し試合はリアルタイムでテレビ観戦)。

ともかく。「らくだ」に出てくる「らくだ」は、睫毛の長いかわいい動物ではないってことですね。

Camel - Chameau - Camelo

サファリ レプリカ ラクダ
サファリ
売り上げランキング: 110728

「ガサガサ」する人、「口元の緩い」人、そして「臭いのきつい食べ物を食べる」人 @ 寄席

どれが一番嫌いですかね、って話。どれも大迷惑には感じるんだけど。

爆発力のあるのは臭いのきついものを食べる人だろうなあ。すごく匂うのは牛丼(これはさすがに一度しか出会ったことがない)、そしてファストフードのポテト(これは頻繁に出会う)。

こういう食べ物を寄席で食べる人ってのは、それがどんだけにおいを放つのかに無頓着なんだろうな。すごい臭いを放って注目をあつめるのが趣味、なんてことはないんだろうと思う。

長続きしてかつ破壊力もあるのが「口元の緩い」人。噺家が何かをいうと「そりゃだめよぉ」だとかなんだとか、自分の感想や噺家の言葉をそのまま呟いたりする。オバサンに多いような気がするけれど、おじいさんや若い男にもいたりする。

友達と話してたりテレビ見てたりするんじゃねえってんだ。

一番よく目にするのが「ガサゴソ」する人、たいていは食べ物。何か音のする入れ物に入ってる食べ物を平気で食ってる。「噺を聴いてる人の邪魔になるんじゃないか」なんて考えるのが普通だと思うけど、それは全く「普通」じゃない。

平気でガサゴソする奴ってのはしばしば、その食べかすも座席に置きっぱなしで帰って行ったりする。

まあむしろ、ときに「人の迷惑省みずガサゴソするくらいは普通のことなんだろうか」と不安になったりする。でもそういう音を立てる奴がゴミの片づけもできないような野郎であると、逆に安心したりもするんだよな。

ひとりガサゴソ飲む夜は・・・・・・ (角川文庫)
椎名 誠
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 53440

6月12日、鈴本演芸場夜席

自分的判断基準で消去法で選んじゃった今日の鈴本。行ってみたら面白かった。色物が太神楽に変わって曲ゴマ、それから紙切りってのが個人的ヒット。太神楽もときに面白いんだけど、同じ出し物を何度も見ようとは思わないんだよな…。ちなみに漫才は毎回パスしてしまう。

お目当ての落語もなかなか良かった。

  • 林家扇 「元犬」
  • 柳亭燕路 「辰巳の辻占」
  • 三遊亭萬窓「たが屋」
  • 林家正蔵 「新聞記事」
  • 柳家喜多八 「あくび指南」
  • 林家正楽 相合傘、ダックスフンド、行水、鵜飼い、蛙
  • 柳家小満ん 「花色木綿」
  • 三遊亭金時 「抜け雀」

林家扇の「元犬」は前にも聴いた。細かく変更が入ってたようだけど、前の方が良かったように思うな。

「たが屋」は聴くのは初めてのように思う。たが屋が「親孝行である」という話が入ってた。読んだ本にその下りがあったかどうかはちょっと記憶していない。武士側がドジ(アンラッキー)を踏むという話とともに、よく言われる「後味の悪さ」を軽減する狙いがあったのかも。

林家正蔵はまくらで歌舞伎の話をするのでまた「四段目」かと思っていたところが「新聞記事」。子供の出てこない話が聴きたかったので嬉しかった。ところどころ人物の切り替えについていけないところがあったんだけど面白かった。

柳家小満んの「花色木綿」は「あくまでマイペース」な感じに演じられていたように感じた。ペースに入ってしまえばすごく面白い。「花色木綿」の連呼が面白かったので、タイトルはこちらで良いかなと(別題「出来心」)。

「抜け雀」は大好きな話。大好きな話なだけに、細かいところがすごく気になってしまったりする。だけど今日の「抜け雀」は、しばしばひっかかってしまうところが概ね好み通りの演出だった。こういうふうな演じ方を聴くとまた、誰に教わってそもそもどこが出所なのかなんてことが気になってしまう。

この「抜け雀」のときにガサゴソオヤジの暴れっぷりがピークに達したんだけど、その乱暴狼藉を抑えこむ力を持った演じ方で嬉しかった。

三遊亭金時は2度目と思う。前に聴いた「鰻の幇間」はちょっと合わないところがあった。そもそも「武家」を演じるのに似合ってるようにも感じたな。

楽しい夜席ではございました。

2011年07月04日

大当たりの浅草演芸場! 2011/7/4

浅草演芸ホールは4席の中で一番遠いのかな。加えて昼席が妙に混むのでちょっと行きにくい寄席。だけど行ってみれば大当たり。夜席は空席も出て環境的にも良かったな…

浅草についてまず昼飯(天ぷら)。そして浅草演芸場へ。着くなり「辰じん来い辰じん来い!」と祈りをこめてチェックイン^^。

結局夜席前座で辰じんは「金明竹」。ざわついていた会場が一気に集中していくパワー。ちょっとやっぱりすごいんじゃない? とくに先日、初めてつまらない金明竹を耳にして驚いたので、今日の話の面白さが際立った。

ちなみに辰じんは今日が2度目。前回は遠目からの鑑賞だったけど今日はすぐ近く。表情の動きなどもよく見えてさらに魅力的に感じた。ザワつく会場を引き込むパワーは、ぼくの数少ない経験で言えば古今亭志ん輔なみ。すっごい人やなあ…

狙ったいったわけじゃないけれど、会場入りしたのはちょうど仲入り前。仲入りを経て入ればちょうど通路側に空席があって座ってみることができた(漫才、粋曲などは離席してしまうので通路側が嬉しい)。

■ 昼席

  • 仲入り
  • 金原亭馬治 「鰻屋」
  • 古今亭菊春 「替り目」
  • 金原亭世之介 「鴨とり」(抄)
  • 金原亭馬生 「稽古屋」
  • 大喜利 茶番『大磯廓通い』

馬生の「稽古屋」は音曲噺。生で見るのは初めてかな。大喜利茶番も含めて「愉快な馬生」が見られて良かった。

■ 夜席

  • 前座 入船亭辰じん 「金明竹」
  • 三遊亭金兵衛 「初天神」
  • 柳家三之助 「堀之内」
  • 古今亭志ん輔 「目薬」
  • 三遊亭歌笑 「親子酒」
  • 林家正蔵 「ハンカチ」
  • 柳亭市馬 「子ほめ」
  • 三遊亭圓丈 「強情灸」
  • 仲入り
  • 三遊亭歌奴 「お花半七」(宮戸川)
  • 柳家はん治 「居酒屋」
  • 桂文楽 「看板のピン」
  • 柳家権太楼 「つる」
  • 林家正楽 線香花火、紫陽花、七夕
  • 桂南喬 「天狗裁き」

今日のメインターゲットは柳家はん治。そして希望は入船亭辰じん(前座なので出てくるのかどうかわからない。すくなくともぼくには)。さらにおさえで古今亭志ん輔(オサエ、というのは、この人はまずハズスことがないから)。さらに何をやるのの興味で林家正蔵。そして純粋に楽しむ林家正楽という感じ。

で、何度も言うけど辰じんは嬉しかったなあ。「大ファンです」と伝え(まだ今日を含めて2度しか見てないけど)、ご祝儀を手渡そうかと思ったんだけど、何の用意もなかったので次回に先送り^^。いきなり「ファンなんです」と言われて困ってた(笑)。

先にも書いたけど前回某所でちょっとつまらない金明竹を観た。何がつまらなかったんだろうなあというところにも注意しながら聴いていたんだけど、主にはイイタテのリズムなんだろうな。誰がやっても面白い演目だと思っていたんだけど、ここのリズムはやはりすごく大事なんだ。辰じんの緩急はあまりに見事で、一度目のイイタテ中から拍手が起こってしまうほどだった。

初めて観た時もそうだったんだけど、「誰だよおまえ」という雰囲気の開場の中、圧倒的に場をリードする話力にびっくり。

金兵衛はあの顔で(いや、髪型で、かな)「初天神」がすごく面白い。クドクなるぎりぎりのところでの開放感があの顔と(いや、髪型と)相まって面白いんだよな。

「ハンカチ」は正蔵聴くのが2度目。なんだかもう少し面白くなりそうな噺だよなあと思いつつ聴くんだけど、どうなんだろう。この人の大物、ないしスタンダード古典が聴きたいと言い続けてしばらく。トリのときに行こうとは思ってるんだけど、なかなかタイミングが合わない。

そしてもうひとり目当てだった柳家はん治は「居酒屋」。この人で最初に聴いたのも「居酒屋」だったと思う。「なんか新しそうな噺だなあ」とさほど興味を持たずに聴いていたところが引きこまれてしまった。前回聴いた「粗忽長屋」の方が個人的には好き(「居酒屋」もかなり好き。でも「粗忽長屋」は超好き)。でもこの人の「雰囲気」は最高だな。下席ではトリをとるので、ぜひとも複数回でかけて見たい。

P.S. へえ、小三治も金明竹をやっているのか。

昭和の名人~古典落語名演集 十代目柳家小三治 三
柳家小三治(十代目)
キングレコード (2009-03-11)
売り上げランキング: 87472

2011年07月11日

権太楼による「町内の若い衆」は面白いなあ@浅草演芸ホール 2011/7/10

柳家はん治が目当てで出かけた浅草演芸ホール。上席のうちに2度出かけたことになる。もしかしたらまた入船亭辰じんが見られるかなと思ったり。

到着は前回よりちょっとはやめ。

・昼席(途中から)

  • 三遊亭圓窓 「つる」
  • 三増紋之助 曲ゴマ
  • 鈴々舎馬風 (離席)
  • 仲入り
  • 金原亭馬治 「鷺とり」
  • 古今亭菊春 「お花半七」(宮戸川)
  • 初音家左橋 「親子酒」
  • 和楽社中
  • 金原亭馬生 「浮世床」
  • 茶番「大磯廓通い」

色物のときは結構席を立ってしまう。ただ今日は漫才以外見たことになるのかな。三増紋之助は毎回見てる。最近新ネタも取り入れて一層面白い。和楽社中は見たり見なかったり。最近「五階茶碗」をあまりやってないらしいのがちょっと嬉しい。技としては難しいんだろうけれど、見ていてあまり面白くないんだよな…

・夜席

  • 前座 古今亭半輔 「初天神」
  • 柳家喬之進 「金明竹」
  • 柳家三之助 「のめる」
  • 古今亭志ん輔 「夕立勘五郎」
  • 三遊亭歌笑 「松山鏡」
  • 林家正蔵 「悋気の独楽」
  • 柳亭市馬 「出来心」
  • 金原亭馬の助 百面相
  • 仲入り
  • 三遊亭歌奴 「豆屋」
  • ダーク広和 マジック
  • 柳家はん治 「粗忽長屋」
  • 桂文楽 「替り目」
  • 柳家権太楼 「町内の若い衆」
  • 林家正楽 線香花火、ほおずき、フラダンス、スカイツリー
  • 桂南喬 「お見立て」

後半も民謡漫談、粋曲、漫才以外は色物も参加。ダーク広和は基本的に面白い人なんだけど、手品の面白さには差がある(クオリティはいつも高い)。昨日のは普通だったかな。

目当てのはん治。先週が「居酒屋」だったので今日は古典をと期待していたところが「粗忽長屋」。前にも聴いたネタだけど、なんべん聴いても面白い。

先週「つる」だった権太楼は「町内の若い衆」。これをはじめて聴いたのは古今亭菊之丞。「こんな話があるのか」と驚いたけれど、権太楼ははまっていたな。ちょっと照れたような、相手を焦らすような権太楼の語り口が爆笑を呼んでいた。

「松山鏡」と「お見立て」は初めて生で聴いたと思う。というか両方とも本で読んだだけかな。まあ「お見立て」は「幕末太陽傳」では見ているな。


幕末太陽傳 [DVD]
幕末太陽傳 [DVD]
posted with amazlet at 11.07.11
日活 (2002-11-22)
売り上げランキング: 3844

2011年07月18日

大入り満員:池袋演芸場

昼の部に柳家はん治がいて、夜の部は柳家三三が出て古今亭志ん輔と古今亭菊之丞のあわせ技。こりゃすごいじゃんと池袋演芸場にやや遅れて出かけてみた(結局志ん輔と三三は代演でいなかった)。

池袋演芸場

たどりついたのはギター漫談から。いつものように漫才はロビーで休憩したものの、結局昼の部はずっと立ち見だった。

昼席:

  • 柳家小せん 「金明竹」
  • 橘家圓太郎 「浮世床」
  • 柳家はん治 「鯛」
  • 三遊亭圓丈 「ガマの油」
  • 林家正蔵 「ねずみ」
  • 仲入り
  • ダーク広和 手品
  • 桃月庵白酒 「短命」
  • 柳家小満ん 「夢の酒」
  • 林家正楽 線香花火 パンダ 撫子ジャパン 屋形船 犬
  • 川柳川柳 (休憩)

ダーク広和の到着が遅れた。順番を繰り上げた正蔵が演じたのは「ネズミ」。正蔵で聴くのは初めてだけど面白く演じられていた。ちょっと儲けた気分だな。

柳家小せんの「金明竹」も面白かった。言い立てが「わからないから面白い」のではなく、言い立ての「リズムが面白い」のだということを示そうとするチャレンジと受け取った。たまに早さだけを強調したり、関西弁であることのみを強調するような「金明竹」がある中(そういうのは面白くない)、ちょっとした「アンチテーゼ」が示されていたように感じた。

橘家圓太郎の「浮世床」にも驚いた。これまで何度か見ているはずなんだけど、あまり印象に残ってなかった(こちらの気持ちの問題も大きい)。でもありきたりなネタである「浮世床」を演じた今日の圓太郎は面白かったな。ゲンちゃんの本の読み方にはみんなが工夫をこらすところ。圓太郎の行った人物設定と本の読み方がぴったりしていて面白さ倍増だった。良いものを見せてもらった。

そして漫才をはさんで柳家はん治。演目は「鯛」かなと思っていったところがやはり「鯛」。これまで聴いたこの人のネタは3つのみ。「居酒屋」、「鯛」、そして古典の「粗忽長屋」。個人的には「粗忽長屋」が好きなんだけど、なんかあれだな。この人に関してはネタは何でも良かったりする(笑)。こんな風に好きになったのはこの人が初めてだ。

ところで次の圓丈を休憩時間にしていると楽屋をでるはん治に会えた。「大ファンです。浅草の昼トリにも出かけます!」なんて話をさせて頂くことができた。わざわざ待っていたと思ってくださったのか「今日はもうご覧にならないんですか?」などと気もつかって頂いたな。それから21日は休演だとのこと。まさにその日にも出かけようと思っていたので助かった。

夜席:

  • 林家まめ平 「真田小僧」
  • 台所鬼〆「堀の内」
  • 春風亭柳朝 「ぶすけ馬」
  • 五明楼玉の輔 「ざいぜんごろう」
  • 橘家文左衛門 「千早振る」
  • 古今亭志ん橋 「出来心」
  • 仲入り
  • 古今亭菊之丞「棒鱈」
  • 柳家権太楼「提灯屋」
  • 柳亭小燕枝「万金丹」

夜席は座って見ることができた。「志ん輔と菊之丞が仲入りをはさんで共演だぜ」と思っていると志ん輔は代演^^。よ~く見てみると「古今亭志ん橋」と書いてあった(笑)。

ちなみに夜の部ヒットは柳家権太楼「提灯屋」だった。この話はつい先日柳家小三治のCDを聴いたばかり。ちょっと聴いただけだからまだよくわからないんだけど、この日の柳家権太楼と同じ雰囲気があった。ただ家紋なんかが一般的ではなくなってしまっている昨今、ちょっとわかりにくくなってしまっているのが残念だな。もちろんそれがために話を直すべきだなんてことは思わない。

噺家さんにご祝儀を渡してみたけれど…^^

「つまらなくても笑って、そして楽屋に祝儀を持ってきてくれる客が良いお客」なんていう半分(?)冗談をよく耳にする。

そんなわけで祝儀袋を渡してみた。

うさぎのご祝儀袋
うさぎのご祝儀袋 posted by (C)torisan

「師匠、ファンなんです」。

相手の方のお返事は「えと、ちょっといきなりですね」(笑)。こちらを非難するんではなく、「唐突にそんなものをもらって良いのか?」という遠慮もあったし、それに「そもそも君は何者?」という意識もあったんだろうなあ…

いやあ、すんませんね。あまりそういう文化に慣れ親しんでいないので、怪しい振る舞いになってしまったかもしれません。まこと、申し訳ないことでございます。

2011年07月26日

菊之丞ノリノリ、一之輔しっかり、はん治は聴いたことのない噺で楽しかった浅草

はん治目当てで浅草に行ってきた。

正楽寄席カルタを買ってみた #rak ugo
正楽寄席カルタを買ってみた #rak ugo posted by (C)torisan

林家正楽の『寄席かるた』を求めたところ「ラスイチだ」とのこと。持ってうろうろしていると楽屋入りする林家正楽。「買いました~」と見せると「ありがとうございます!」とお返事いただけた(笑)。

また目当てだった柳家はん治ともたまたま出会って、挨拶ができたのでとてもラッキー(^^)。

  • 柳家さん坊 「真田小僧」
  • 春風亭ぽっぽ 「みそ豆」
  • 柳亭こみち 「新聞記事」
  • 古今亭菊志ん 「牛ほめ」
  • 柳亭燕路 「トンビの夫婦」
  • 柳家さん吉
  • 柳家一九 「寄合酒」
  • 柳家さん喬「長短」
  • 柳家喜多八 「短命」
  • 三遊亭圓丈 「金明竹」
  • 林家正楽 線香花火、灯篭流し、なでしこジャパン、朝顔、花火大会
  • 古今亭志ん橋 「居酒屋」
  • 入船亭扇遊 「夢の逢瀬」
  • 古今亭菊之丞 「幇間腹」
  • 柳亭小燕枝 「夏どろ」
  • 鈴々舎馬風
  • 柳家はん治 「君よモーツァルトを聴け」

この後夜の部。柳家はん治の出待ちをしようかとも考えたけど(笑)、春風亭一之輔が聴きたくて客席にいた。聞いたのは春風亭朝呂久「手紙無筆」、春風亭一之輔「鮑のし」、橘家文左衛門「道灌」まで。

「君よモーツァルトを聴け」ってのはもちろん新作で、初めて聴いた。「ぼやき居酒屋」かなと思っていたので、聴いていない噺が出てきたのは嬉しい。前回池袋でご挨拶させて頂いたときは「トリのときでもネタは同じですよ」なんておっしゃってたんだけど。贅沢言うなら、氏の古典をもっと聴いてみたいなあ。

強く印象に残ったのは菊之丞。落語暦半年ほどで言うことじゃないけど、最近また格段に良くなってる気がする。記念独演会に向けてノリノリ? ちなみに記念独演会も行く予定(チケット入手済み)。

あと夜の部の一之輔はやはり面白い。演じたのは「鮑熨斗」の短縮バージョン。噺を切り上げた瞬間、もっと聴きたい自分が「えっ!?」と声をあげていた。

P.S. 「育ちが良すぎて病弱だ」をマクラにしている喜多八は、自転車で来て自転車で帰っていったぞ(笑)。

浅草江戸料理屋に出ている噺家提灯
浅草江戸料理屋に出ている噺家提灯 posted by (C)torisan

2011年09月24日

久々の寄席。鈴本演芸場で柳家はん治

退院して2週間経った。

強引に退院したせいもあってか、最初の1週間は使い物にならず。入院前よりは体調もましなものの、それでも「まっとうな社会生活」とはほど遠い。2週間目の今週でなんとか少しはマシになってきた。

と、そんなわけで寄席。どこで何をやっているのかも全くわからない状態。でも調べてみると、大好きな柳家はん治が鈴本で昼トリをとっている!

送信者 11/09/23

と、そんなわけで行って来ましたよ。久しぶりの鈴本演芸場。

  • 三遊亭歌る美「大安売り」
  • 柳亭こみち「本膳」
  • 春風亭一朝「牛ほめ」
  • 古今亭菊之丞「権助魚」
  • 橘家文左衛門「道灌」
  • 柳家権太楼「町内の若い衆」
  • 林家正楽 相合傘・手品師・ハロウィン・運動会・ふくろう・どじょう
  • 隅田川馬石「四段目」
  • 柳家喜多八「鋳掛屋」
  • 橘家圓太郎「浮世床」
  • 柳家はん治「君よ、モーツァルトを聴け」

良かったと感じたのは春風亭一朝の「牛ほめ」。前座もやる噺ながらリズムが秀逸。「話芸」というものを教えてくれる高座でした。またちょっとテイストが合わないと勝手に思い込んでる橘家文左衛門。よくやってくれる「道灌」だったんだけど、今日の出来はいつもより良かったように感じたな。「続きはウェブで」なんてはしゃぐよりも、スタンダードな噺が聞きたいなあ。

柳家権太楼はここ最近で「町内の若い衆」は2度目かな。前回は「提灯屋」。この2つの噺で権太楼の魅力を強く感じ始めているところだけに、今日また「町内の若い衆」が聴けたのは嬉しい。

組み立てで興味深かったのはまず菊之丞の「権助魚」。権助に魚代を渡さず、また「網とり魚」ではなく「網うち魚」と表現するスタイル。ぼくは初めて聴いたかもしれない。

それから橘家円太郎の「浮世床」も「それをなんとか抵抗するから『てえこうき』」というサゲ。これまた初めて聴いたパターンだ。

勝手なMVPは、、、。そうだなあ、一朝だろうか?

送信者 11/09/23

2011年10月19日

生「三枚起請」は初めてだっけ? 10/18 @ 国立演芸場

実はそんなには期待してなかった。昼にちょっと時間がある日なので、ちょっと行ってみるかと。ところが面白かったなあ。このように期待せずに行って面白いことがあるというのは、つまりまだまだ自分が落語をわかっていないということ。わかっていないということはこれからまだまだ「お勉強」できる。楽しみが続くってわけだ。

national engei hall

あ、これ、写真は昔撮ったもの。

  • 柳亭市也 「のめる」
  • 鈴々舎馬るこ 「真田小僧」
  • 春風亭柳朝 「洒落小町」
  • 柳家一琴 「三人無筆
  • 柳亭小燕枝 「青菜」
  • 金原亭世之介 「三枚起請」
  • 柳家小さん 「笠碁」

どの話が面白かった云々と書くところなんだけど、ぜんぶ面白かった。生で初めて聞いたのは「洒落小町」、「三人無筆」、「三枚起請」。「三枚起請」がどうやら初めてらしいというのは驚いたな。CDやDVDでは何度も聞いている話。客席で聞きながら、どうやら初めてらしいぞと思い、家に帰って検索してみたらやはり聞いたことがあるという記録がない。

「三人無筆」も話は本で知っていた話。面白そうな話だなと思っていた。「手紙無筆」よりも話が複雑になってる分、じわっとくる面白みがあるように思う。「待ってました」の声援も飛んだ柳家一琴。良い感じのノリで話してくれて、とても楽しかった。

落語としての話とは別に、柳亭市也の「のめる」、それから鈴々舎馬るこの「真田小僧」の演目では「話の筋」として「おや?」と思ったところがあった。とくに「のめる」の方。これは気になったので、また今度メモをまとめてみようと思う。

繰り返しになるけれど、まだまだ「お勉強」できそうなことがありそうなことを知り、すごく嬉しくなった落語会だった。


タイガー&ドラゴン「三枚起請の回」 [DVD]
TBS (2005-03-09)
売り上げランキング: 12369